統計学の入門書をお探しの方で、数学は苦手だけど統計ってどんなものなのか、何を学ぶのかを知りたい人におすすめの本を見つけたので、レビューしていきます。
リンク
目次
基本情報
- タイトル:データ分析の先生! 文系の私に超わかりやすく統計学を教えてください!
- 著者:高橋信 著
- 出版社 : かんき出版
- 出版日:2020年9月3日
- 読んだ日:2025年1月上旬
- 値段:1500円
書いてある内容
1~7日目、というタイトルで7章に分かれていて、以下の内容について学びます。
- 1日目: 統計学の世界へようこそ
- 統計学の基本概念と重要性について解説し、初学者向けの導入を行います。
- 2日目: 「調査もどき」に振り回されない! 無作為抽出法
- データ収集の正しい方法と、信頼できる調査方法について学びます。特に無作為抽出の重要性を解説します。
- 3日目: データの雰囲気をつかもう! 数量データ編
- 数値データの扱い方と基本的な分析手法について学習します。
- 4日目: データの雰囲気をつかもう! カテゴリカルデータ編
- カテゴリー型データの特徴と分析方法について理解を深めます。
- 5日目: データを可視化する! 正規分布
- データの視覚化手法と、統計学の重要な概念である正規分布について学びます。
- 6日目: 実践! 母集団の割合を推定してみよう
- 統計的推定の基本を学び、実際のデータを用いて母集団の特徴を推定する方法を習得します。
- 7日目: 実践! 重回帰分析をやってみよう
- Excelを使用した重回帰分析の実践的な手法を学びます。実務でも使える分析スキルを身につけます。
- 補講: 統計的仮説検定ってなに!?
- 統計的仮説検定の基本概念について補足的に学習します
統計学とは何ぞや、という所から、母集団からの標本の抽出法、データの分類や正規分布について一通り書かれています。最後にはExcelを用いて重回帰分析を行う方法についても書かれていて、実践的で良いなと思いました。
また、それぞれの章の最後にはまとめが書かれているので、学習の振り返りがしやすいです。7日分あるとはいえ、1日で全部読める分量だと思います。
基本的には、先生と生徒の対話を通じて学習が進んでいく形式となっています。色使いやデザインなども含めてかなり目に優しくて見やすいです。
ただ、数学的な厳密さについてはあまり説明がされておらず、どちらかというと触りだけとなっているので、もう少し詳しい数学的記述を求める人はこの本で統計について軽く触れた後、別の専門書に移るのが良いです。
この本がおすすめな人
こちらの本がおすすめな人は、このような人です。
- 統計学とは何かをざっくり知りたい人
- データリテラシーを向上させたい人
- 数学は苦手だが統計について勉強したい人
- イラスト付きでポップに統計を学びたい人
- Excalなどで手を動かしながら統計を使ってみたい人
著者の日本人のデータリテラシーの低さを何とかしたいという思いがひしひしと伝わってきました。学術論文などで使われている統計の間違いや裏事情などについても踏み込んでズバズバ書いてあったので面白かったです。おすすめの本です。
リンク