最近睡眠負債が溜まっている気がするのと、昔から眠りの質があんまり良くないな~と思っていたので、ベストセラーであるマシュー・ウォーカー著の「睡眠こそ最強の解決策である」を読んでみました。本記事は内容の要約メモになります。
リンク
要約というより、読んでいて面白かったところ、実生活に生かせそうなお役立ち情報を箇条書きで抜き出しただけです。
目次
基本情報
- タイトル:睡眠こそ最強の解決策である
- 著者:マシュー・ウォーカー 著
- 出版社 : SBクリエイティブ
- 出版日:2018年5月19日
- 読んだ日:2025年1月上旬
- 値段:1760円
第1部: 眠りとは何か?
「眠り」という謎
- 特に先進国で顕著
- 生き物は寝ている間は無防備だが、それによって最適化されている
- 睡眠を大切にすることが一番健康に良い
睡眠リズムを取り戻す
- 睡眠には、脳に刻まれた24hの「概日リズム」が関係している
- 体温の変化なども影響
- 太陽が届かない環境に住んでみても24hで活動を行ってしまうことが分かった
- 大体24h単位で生活している
- 朝方、夜型は遺伝子によって決まるクロノタイプ
- これがいることによって、眠っていない個体が発生し、群れの生存確率を上げた
- 起きている時間が長くなると、「睡眠圧」が蓄積
- メラトニンによって眠さは調節される
- 時差ボケは1時間ずつしか1日で調節できない
- アデノシンによる睡眠圧と概日リズムは独立しているため、徹夜をしていても目が冴えることがある
- 8, 9時間くらいは睡眠を確保すべきである
レム睡眠とノンレム睡眠
- 夢の世界での時間の感じ方は長い
- 夢を見ている間は体がマヒしている
- それによって実際に夢を行動に移さずに済んでいる
- レム/ノンレム睡眠がある理由は分かっていない
- 脳の記憶回路を更新してメモリを有効活用するため?
- ノンレム睡眠で情報を整理して、レム睡眠で統合
ヒトは眠りで進化した
- 昆虫や爬虫類にはレム睡眠があるのか分からない
- 水の中でレム睡眠になったら溺れて死んでしまうかもしれないから
- でもどっちの睡眠も大事
- 鳥は片目と片方の脳みそだけ眠らせられる
- 群れだと1列になって端っこの個体以外は両方の脳みそを休める
- 渡り鳥なんかは数秒間だけ眠る、という技を持っている
- 昼寝を辞めたら、死亡リスクが60%以上も上がったことも(働く男性に顕著)
- EQ(心の知能指数)はレム睡眠をどれほど取っているかで決まる
年齢と睡眠
- 赤ちゃんから睡眠を奪うと、一生その傷は脳の発達に残る
- 特にアルコールがヤバい
- 思春期の子供の脳みそは特殊
- 後頭部は大人、前頭葉は子ども
- 小さい子どもは概日リズムが進んでいるため、大人と生活リズムが違う
- 反対に、老人は夕方に日光を浴びたりした方が良い
- 睡眠の質が下がると認知症や記憶の欠如などのデメリットがある
第2部: なぜ眠りが重要なのか?
記憶力と睡眠
- 睡眠こそ万能薬
- 眠らないと記憶の容量が減る
- 寝ている間に海馬が掃除される
- 深いノンレム睡眠が長いと記憶が定着
- なんと失った記憶を逆に取り戻すこともあるらしい
- 音を聞きながら眠ると脳波が強くなって40%ほど記憶能力が上がる
- 睡眠によって記憶の取捨選択をすることもできる
- 昨晩できなかったことが眠ると解決したり
- 朝起きたらピアノが弾けるようになっていることもある
- 寝ている間に脳みそが動きを自動化
- けがなどの損傷も睡眠によって回復することがある
睡眠不足と脳
- 眠らないことは危険
- ギネスも認定しない記録の類
- 集中力の低下が顕著
- ほんの数秒意識が飛ぶ「マイクロスリープ」で自動車事故が起こる
- 19h起きている人は酔っ払いと同様のパフォーマンスになる
- 7h以下の睡眠×10日間以上は徹夜と同じ
- 眠くなったら仮眠を
- ただし、起きてから2~30m経たないと睡眠惰性が残っている
- 5h以下の睡眠で良いショートスリーパーは、確率的に四捨五入するとほぼいない計算になる
- 眠らない人は扁桃体の反応が盛んになって、感情が爆発しやすい
- 徹夜をすると成績が40%下がる
- 浅い眠りでは睡眠を取っても海馬の学習能力は低下する
- DNAにも影響を与える
- アルツハイマーとも睡眠の質は関係している
睡眠不足が寿命を縮める
- 睡眠不足は静脈を肥大化させる
- 睡眠時間が1h少なくなるだけでも、実は大きな問題
- 食欲の増大(肥満)や糖尿病にも関係
- 4~5時間睡眠だと食欲が大幅に増す
- 血糖値の調節がバグる
- 起きていても寝ていても消費カロリー量は大して変わらない
- 寝不足で食事制限ダイエットをすると筋肉が落ちるが、しっかり眠ると脂肪が落ちる
- 寝不足だと、男性なら睾丸、女性なら卵胞刺激ホルモンの量に影響する
- インフルのウイルスを注入する実験では、5h未満だと50%、7h以上は18%感染した
- 発がんリスクも進行速度も寝不足によって増える
- テロメアなども劣化する
第3部: なぜ夢を見るのか?
レム睡眠の異常な世界
- 脳の活動を見ると、本人に話を聞かずとも大体夢の内容が分かる
- 覚醒した時に感じる感情や心配事は夢の中で見たもののことが多い
夢は傷ついた心を癒す
- レム睡眠の間には不安を誘発するホルモンが無くなる
- とりあえずレム睡眠が大事
夢と創造と問題解決
- レム睡眠の時に情報が整理される
- レム睡眠の時に起きると頭がめちゃくちゃ冴えている
- 人口の20%以下ではあるが、明晰夢を見ることができる
第4部: 睡眠とどう向き合うべきか?
睡眠障害と眠らないことによる死
- 夢遊病による殺人事件などもある
- 睡眠状態誤認
- 眠っていないと思っているが、脳波的にはしっかり眠れている状態
- 不眠症について
- 入眠型障害
- 寝付けない
- 睡眠維持障害型
- 夜中何度も目が覚める
- 入眠型障害
- 9人に1人が医学的な不眠症
- アフリカ、ヒスパニック系に多い
- 女性に多い
- 28~45%で遺伝
- ナルコレプシーという病気もある
- 生き物は飢餓状態になると睡眠が減る
- とりあえず7時間では睡眠は足りないし、実際に眠っている時間が大切
- 寝すぎると早死にするというのは間違った因果関係
あなたを眠らせない犯人は誰か
- 眠りを妨げる原因
- 電気の光
- 室温管理
- カフェイン
- アルコール
- 学校や職場の始業時間の早さ
- 例えば、アルコールを摂取するとレム睡眠が阻害されて記憶が定着しない
- 平日も休日も同じ時間に起きることが大事
睡眠を妨げるもの、眠りを助けるもの
- 睡眠薬は意味がない
- 脳の外側を眠らせているだけ
- リバウンドとして帰ってくる
- 死亡リスクも高まる
- 寝るためのコツ
- 寝て起きる時間を固定
- 眠くなったら布団に入る
- 眠れなかったら布団から出る
- 夜眠れない場合は昼寝をいsない
- 寝る前に心を落ち着ける習慣を付ける
- 時計を見えるところに置かない
- 寝る2, 3時間前には運動をやめよう
睡眠のために社会は何をすべきか?
- 一度失った睡眠は取り戻せない
- 会社員だと、睡眠不足により一人当たり年間2000ドルの損失がある
- 寝不足の人は自覚がない上、ミスを人のせいにしたり、といった人間性にも問題が出てくる
- 睡眠時間が長い人の方が収入が高い
- ナイキとグーグルには眠る部屋がある
- 睡眠を奪う拷問は良くない
- 始業時間を遅らせたほうが全体としては良い効果がある
- ADHDなどと診断される子どもの50%以上がただの睡眠障害
- ミスが増えるのだから、もっと特に医者は眠るべきなのに、現状はそうなっていない
21世紀の新しい睡眠
- 自分の記録を付けるなどして可視化することが習慣化のコツ
- 良く寝た社員に対してお金のボーナスを出すところもある
- 睡眠を削らない方が治療での痛みも和らぐし、退院も早くなる
- 睡眠は国を挙げて改善していくべき項目である
感想
睡眠が足りていないと病気や死亡のリスクが上がるということは知っていたが、なぜそうなるのかのメカニズムまで解説されていたので納得できた。また、人間以外の動物にみられる睡眠の性質が意外で面白かった。
リンク