海外大学への進学を考えているけど、なかなかその決断に踏み出しづらい…
そんな方も多いのではないでしょうか?
今回はアメリカのワシントン大学の数学専攻を卒業された椿さんに、海外大学を目指したきっかけやその過程での困難についてインタビューさせていただきました。
進路選択に悩んでいる人はぜひ参考にしてみてください!
インタビューに答えてくれた人
- 名前:椿
- 所属大学・コース:University of Washington, Seattle Campus Mathematics Major
- 留学期間:2011年~2023年末
- 留学時の英語力:ネイティブレベル
- 出身高校:アメリカ西海岸のボーディングスクール
- 海外経験:小学校は日本のインター校、中学から渡米
- 課外活動等の実績:陸上部マネージャー、テニス、毎週末の寮生向けボランティアリーダー、寮生向け学校外アクティビティ主催
- 合格校:University of Washington, Santa Clara University, Loyola Marymount University, University of California San Diego, University of California Irvine, Occidental College
- 不合格校:University of California Santa Cruz, University of California Santa Barbara, University of California Davis
11歳まで留学経験がなかったのですが、インターナショナルスクールに通っていたので授業に付いていける程度の最低限の英語力はありました。将来は国内外で高校数学を教えたいと考えています。
2025年春から、ワシントン大学の大学院でMasters in Teaching, Secondary Education Programを学ぶ予定です。

ワシントン大学ってどんな大学?
ワシントン大学(University of Washington, UW)は、アメリカ西海岸の名門公立大学で、「Public Ivy」に数えられる研究型総合大学です。 1861年に設立され、特にコンピュータサイエンス、工学、情報学、ビジネス分野が世界的に高く評価され、2025年度のTimes Higher Education世界ランキングでは25位にランクインしています。
シアトルに位置し、自然に囲まれながら都会へのアクセスも良好です。 学部生約3万6千人、大学院生約16万人が在籍し、多様な学びの場を提供しています。
リベラルアーツ式の教育を採用し、研究にも積極的に参加可能。 学習・キャリアサポートも充実し、少人数制の授業や就職支援が整っています。
約800の学生団体があり、日本人会も存在。 数学コースは理論重視のBSと情報・統計と組み合わせられるBAがあり、多様な選択肢があります。入学時期は9月で、世界トップクラスの教育環境を誇る大学です。
なぜ海外大学へ?
小学校は日本のインター校に通っていましたが、親の意向で中学からアメリカの学校に通うことになりました。高校もアメリカのボーディングスクール(宿舎学校)出身だったため、アメリカや日本をはじめとする他国の大学に興味はありました。
日本の大学に進学しても良かったのですが、受験対策の期間が足りないことと、学びたいことが日本の大学にはなかったため、諦めました。帰国子女枠で日本の名門大学を受験する選択肢はありましたが、小論文や科目別の対策試験のために予備校に通ったりアメリカの大学と併願しながら日本の出願準備をする余裕はありませんでした。
また、高校時代には好きだった数学を海外で教えたいという目標がありました。
日本の大学で教員免許を取得後、海外に出ることは遠回りだと思いました。もし日本語能力や科目知識が日本の受験レベルに達し、やりたいことも日本の大学で学べるのでしたら日本を受験していたと思います。
ワシントン大学を選んだ理由は?
主にアクセスの良さと専攻への興味です。
アメリカの高校で寮生活を送っていた頃はとても楽しかったのですが、徒歩圏内には海と森しかなく、寮のご飯がマズい上に外食すら気軽にできず、あまり自由がありませんでした。
それに対してワシントン大学周辺のシアトルではたくさんバスが通っており、空港からダウンタウン、シアトルの地域を楽に移動できます。また、東京の空港から直行便も出ており、精神的にも楽でした。
また、私は数学や教育学をはじめとする様々な分野を学べる大学を求めていました。ワシントン大学の理数教育はとてもレベルが高く、教育学部と教育大学院も全米トップレベルです。
私が学んだ数学専攻のTeacher Preparation Optionでは、数学の授業を取る必要がありましたが、選択科目として自由に情報や統計学も学ぶことができました。また、卒業に必要な一般教養の科目も3分野から幅広く選択できるため、教育学や社会学、環境学、天文学の入門授業なども学べました。
英語力、受験事情について
小学校は東京都内のインターナショナルスクールに通い、高校からはアメリカ西海岸にある学校で寮生活を送っていました。
高校での成績はGPA3.9/4.0でしたが、英語は特進クラスではなく普通のクラスでした。英語力としては、SAT1430点(Reading & Writing 680, Math 750)ほどでした。
大学入試では、
- 中学の時に内気な性格だったけど、トランプなどを通してクラスメイトと仲良くなった
- コミュニティ作りの一環として宿題を手伝って勉強会を主催した
- 高校の時、交換留学で来た日本の高校生などの通訳の経験した
などの経験をアピールしました。
海外大学進学で困ったこと
部活や課外活動の両立、良い成績を取ることが大変でした。
私はスポーツが得意ではなく、テニス部に半年ほど入りましたが、上達できず途中でやめました。その後、女子バスケや陸上部のマネージャー、寮生向けイベントの主催などに取り組みました。
成績の向上と維持も大変でした。現地の進学校で周りの留学生は私以上に勉学ができる中、難しい授業を取りながらGPAを4.0に近づけるのに苦労しました。成績は宿題、授業態度、定期・期末テストで決まるため、どの科目も気が抜けず、ストレスで精神的に不安定な時期もありました。
ちなみに、数学は好きでしたが、大きな大会で賞を取ることはありませんでした。課外活動で目立った功績を残せず、受験で不利になると感じていました。
今後の進路や目標
高校数学の教師を目指しているため、アメリカの教職大学院に2025年の春進学予定です。
1年間のプログラムを終え、教育形の修士号と共に州の教員免許を取得後にワシントン州で何年か教える予定です。その後はAPやIBの資格を取り、いずれは日本に戻ってきて日本国内の学校で教えることを目指しています。
メッセージ
渡米して最初の頃はとても大変でしたが、積極的に行動して目標に向かっていけば何とかなることがわかりました。また、そういった行動を通して内気な性格も少し改善できた気がします。
留学を目指すとなると精神的にも辛いところがあるかと思いますが、頑張ってください!