みなさん、パクリって悪いことだと思いますか?
多くの人は「パクる=ズルいこと」みたいなイメージを持っていると思います。
でも、実際のところ何事も最初は模倣から始めるのが一番効率的なんです。
自分一人でゼロから完璧なものを生み出せる人なんて、天才でもほとんどいません。むしろ先人たちが積み上げてきたものを吸収することから始めた方が、ずっと早く伸びます。
模倣はエッセンスを効率よく吸収する最強のプロセス
私自身、音楽をやっていてこれを強く感じます。
YouTubeでピアノカバーを投稿しているのですが、最初からオリジナル曲を作ろうとしてもうまくいきませんでした。
そこでまずは好きなアーティストの曲を、耳で聴いて、自分の手で再現してみることから始めました。
そうすると、音の重ね方やコード進行、メロディの作り方など、「曲の構造」や「感情の動かし方」が自然とわかってくるんです。
つまり、模倣とはエッセンスを丸ごと吸収する行為。自分の中に型を取り込むことで、後からいくらでも応用が効くようになります。
絵も同じです。最初からオリジナルを描くより、好きな絵師の作品をトレースして「なぜこの線なのか」「なぜこの色なのか」を感じ取る。それが、真に理解する一番の近道です。
ピカソも、実は写実的な絵を極めた上で独自のスタイルに到達したと言われています。独創性は、模倣を通して初めて生まれるのです。
ただ、常識を疑う勇気も必要
とはいえ、ずっと真似だけをしていても新しいものは生まれません。ある程度の型を身につけたら、常識を疑う段階に入るべきです。
例えば走り高跳び。
昔はみんな腹を前にして飛んでいましたが、ある選手が「背中から飛んだ方が高く跳べるんじゃないか?」と発想を変えたことで、今の背面跳びという常識が生まれました。
模倣で基礎を身につけた上で、「本当にこれが最善なのか?」と問い直す。
そこから自分のスタイルが生まれていくのだと思います。
理論と実務のバランスを取る
あとは、理論と実務のバランスこそが最後の鍵だと思っています。
例えばプログラミング。
「コードは書けるけど、中身がどう動いているのかよくわからない」状態だと、説明ができなくて正直怖いです。逆に、「理論はわかるけど、実際にコードを書こうとすると手が止まる」というのも困ります。
どちらかに偏ると、応用が効かなくなる。
日本では「とにかく現場で学べ」という考えが根強く、大学院に進まずにすぐ就職する人も多いですよね。
確かにそれは短期的に成果を出しやすいですが、理論的な裏付けがないと応用がききづらくなる。
逆に、理論ばかりで手を動かさない人もいます。それでは社会でアウトプットが見えず、評価されづらい。
理論を理解しつつ、手を動かして確かめる。
その往復こそが、どんな分野でも本当の力になると思います。
まとめ:模倣→疑問→自分の形
最初は迷わずパクってOKです。模倣は学びの入口であり、恥ずかしいことではありません。
ただし、模倣の先には「疑う」ことがあり、その先に「自分の形」があります。
まずは模倣から始めて、常識を疑い、自分の答えを作る。それが、何を学ぶにも一番の近道だと私は思います。