先日、ロレアル(化粧品会社)とモナッシュ大学が共同開催したマレーシア全国規模のデータソン「L’Oréal × Monash Datathon 2025」で、なんと国内3位を受賞しました🥉
全国から500チーム以上が参加していた大規模なものなので、自分でも信じられない結果です。
今回は、そんな大会に参加してみて感じたことや、当日の様子を日記として残しておこうと思います。

データソンとは?マレーシア全国から500チームが参加
「Datathon(データソン)」は、短期間で与えられたデータを分析し、ビジネス課題の解決策を提案する大会のことです。
今回の大会はMonash University Malaysia Tech Club(MUMTEC)とMonash Analytics Club(MAC)が主催し、有名な化粧品会社のL’Oréal(ロレアル)が業界パートナーとして協賛していました。
大会名に「Monash」とありますが、実際はマレーシア全国から誰でも参加できるイベントです。500チーム以上がエントリーしていたようです。
内容は非公開扱いなので詳細までは書けませんが、与えられたテーマは「美容に関するSNSコメントのデータをもとに、L’Oréalの売上向上に貢献できるビジネスインサイトを提案せよ」というものでした。
ちょっとデータ分析寄りになったハッカソンみたいなものです。

チーム構成と役割分担
私のチームは4人で構成されていました。日本・スリランカ×2・マレーシア(中華系)とまさに多国籍チーム。
- 私:EDA(探索的データ分析)と機械学習モデルの構築、デモ制作
- スリランカ人のメンバー2人:EDA、データ前処理、プレゼン資料の作成
- 実はスリランカ人の2人は中学からの親友同士らしい
- 最近はスリランカからのマレーシア留学も有名になりつつあるそう。
- 中華系マレーシア人のメンバー:プレゼン資料・発表サポート
統計の授業で出会ったスリランカ人の友達に誘って一緒に出ることになりました。私はチャイニーズマレーシアンの友達を一人誘いました。
実は英語面で特に何か苦労するかな〜と思いましたが、実際はそんなことはありませんでした。どちらかというと、単純にお互いの機械学習などに対する考え方で意見がぶつかることの方が多かったですね(喧嘩ではなく、健全な話し合い)。
事前準備
デモ制作まで
先ほど書いたように、事前準備の段階では、割とデータ分析から機械学習モデルの構築、デモ制作まである程度私がこなしました。マジで疲れた。
ここは他の人がやったことがなかったみたいで、時間もなかったのである程度アドバイスしながら私が主導で進めた方がいいなと判断したためです。
ビジネスアイデアの立案や方針を決めたりするのはチーム全体でやりました。スリランカ人のメンバーの一人にはEDAの補助やデータの前処理を行ってもらいました。
プレゼン提出まで
デモの制作が終わったら、プレゼンのスライドを作って、動画を撮らなくてはいけません。
この段階では私は疲れ果てていたので、スライド作りは大体みんなにやってもらいました。構成の全体像を私が指示して、他の人がそれに伴って各自のスライドを完成させていく流れでした。
確かマックス5分とかそれくらいだったので、私も1分くらい喋って動画をレコーディング。編集でいい感じはしてもらいましたが、英語の発音が未だにゴミなのでなんとかしたいですね。
一次審査の結果発表
というわけで、無事に提出が間に合って、あとは結果待ち。
するとしばらく時間が経つとピコーンとメールが来て、一次審査突破のお知らせが。この段階でトップ10のファイナリストに選ばれたらしいことがわかりました。やったね!
プレデモデイの雰囲気
ファイナリストに選ばれると、「Pre-Demo Day(プレデモデイ)」という事前発表会に呼ばれます。
まず待合室の会場に入ると、なんと朝食ビュッフェが用意されている…!!
「さすがスポンサー付きの大会だな…」と思いながら、図々しく食べていたら、モグモグしているところをカメラマンにすっぱ抜かれました。恥ずかしい笑。

この日は朝からL’Oréalの担当者やMonashの教授がいて、チームごとにコンサルのような時間が設けられていました。


昼食ももちろん無料。ここでも私は貧乏根性を発揮して食いまくりました。隣の席の子が同じ授業を取っているCSの同級生だったことも判明して、仲良くなりました。


その後も、さらにメンターからのフィードバックをもとに、チームでプレゼン資料を修正。再提出が終わった頃には、すっかり夕方になっていました。
ちなみに、この日に抽選で発表順が決まったのですが、私たちのチームは最後になりました。まあ最後まで気が抜けないのは嫌ですが、経験上こういうコンペは最後に発表した方が受賞しやすいのでまあOK。
本番当日:L’Oréal本社での発表
本社が豪華すぎる
翌日はロレアルのマレーシア本社での最終デモデイ。セキュリティが強固すぎて、建物に入るだけでも一苦労。



この日も軽食や飲み物が提供されていて、控室の雰囲気もとても和やかでした。
この日もタダ飯が食えるのかと思うと幸せすぎて食べまくった結果、お腹いっぱいになりすぎて発表前にもう帰りたくなりました。

みんなレベル高すぎ… いよいよ発表
ただ、いざ発表の時間になると、他チームのデモを見て正直焦りました。
どのチームもダッシュボードが華やかで、AI要約や分析レポート生成など高度な機能を備えていたんです。まあAIを補助で使ったんでしょうが(許可されている)、それにしてもレベルが高い。流石ファイナリストたち。
一方で私たちのプロジェクトは「コメントを0〜100でスコアリングし、売上に貢献しそうな投稿を抽出する」というシンプルなモデルを中心にしていました。
でも私たちには「わかりやすく説明できる強み」がありました(もちろん全員で発表)。
発表順が最後だったので、特に私のモデルの説明のパートは他チームの発表を見てから構成を少し調整し、「ブラックボックスにしない分析」「人間が解釈できるAI」をテーマに語りました。
私の英語は完璧ではありませんが、論理的に伝えることには自信があり、最後のQ&Aでも審査員がうなずいてくれるのを見て「やりきった」と感じました。
こういう感じで、大会の意図をメタ認知したり発表順が最後だからといった特性を活かした立ち回りをすると課外活動で勝ちまくれるので、皆さんも使ってみましょう(正攻法ではない)。

ご飯うまうま
まあ終わったものは仕方がないのでご飯。マレーシアの料理が提供されて、とても美味しかったです。
データソンで勝てない分、せめて大食いのチャンピオンにならなくてはいけない、という謎の使命感に駆られて食いまくりました。お前食うことしかしてないやんけ。

そして結果発表:まさかの3位!
正直、上位入賞は無理だろうと思っていました。まあTOP10に入っただけでも十分。
でも発表された結果は…まさかの第3位入賞。

審査員からは「シンプルだからこそ良い」「機能を詰め込むのではなく、実際の売上にどう繋がるかを明確にしていた」などとコメントをもらいました。
さらに「日本人の人のプレゼンの構成と流れがとても自然で説得力があった」とも言われ、(自画自賛でウザいですが)やっぱり他のチームのプレゼンを見て方向転換をして良かったなと思いました。
賞金は1,000リンギット。まだ受け取っていませんが、きちんと分配方法を話し合って決めるつもりです。
こういう経験をすると、事前に収益配分を決めておく大切さも学べますね。
後日談:学びとこれから
ちなみに、賞金だけでなく副賞でロレアルの化粧品も死ぬほどもらいました。やった〜とインスタグラムに投稿したところ、案の定女友達から「コスメはよこせ」とたかられました。

あと、会社の偉い感じの人ともLinkedInを交換することができました。そういう人脈ができるのもありがたいですね。
この大会を通して、単にデータ分析のスキルだけでなく、チームでの調整力・発表力・国際的なコミュニケーション力が大きく成長したなと思います。
途中からチームリーダーのような立場になり、意見をまとめたり、方向性を決めたりする中で、「異なる文化背景の人と1つのアウトプットを作る」難しさと面白さを強く感じました。
最初は出るのもなんか怖そうだしな…と思っていましたが、実は全然恐る必要はないことも分かり、やっぱり出て良かったなと思いました。
500チーム以上の中から3位という結果は、自分にとってもチームにとっても大きな励みです。そして何より、「楽しかった!」という気持ちが一番残っています。
誘ってくれた友人、支えてくれたチームメンバー、そして大会を運営してくれた皆さんに心から感謝です。またいつか、こういう挑戦をしたいです。
最後までお読みいただきありがとうございました。


