この時期、海外大学に合格して新生活に不安ながらも胸を高鳴らせている学生さんもいるのではないでしょうか?
高校生まで日本で過ごした多くの学生さんにとっては、海外大学進学は授業や課外活動よりも前に、まず初めて家族のもとを離れて生活する機会だと思います。
そんな皆さんのために、一年住んでみて分かったカナダ、ニューブランズウィック州の大学生の住まい事情について紹介します!
この記事のライター:ここあ(インタビュー記事)
滋賀県の公立高校普通科から1年半のギャップイヤーを経て23年秋からカナダの大学に留学しています。
ギャップイヤー中はインターンやアルバイトをしてお金をためながら一人旅をしたりして過ごしました。小さい頃からバレエを習っていて、大学ではダンスチームに所属しています!
筆者は記事執筆時点では1年生を終え夏休み中の学生で、認知科学を専攻に考えています。副専攻はまだ未定ですが、Data science, Psychology, Computer Scienceなどを考えています。
入学時の英語力はDuolingo English Test 120で、大学入学以前は英語での教育を受けた経験はありません。この記事は、私が1年生の冬学期に受けた授業について紹介しています。
カナダの留学生はどこに住んでいるの?
A: 寮orアパート!!
私の通っているMount Allison Universityでは、他の多くの北米の大学と同じように、一年生は寮に住む学生がほとんどです。地元の町、Sackville出身でも寮に住んでいる友達もいるくらいです。
2年目になると、アパートを友達と借りて住む人と、寮に残る人で体感4:6くらいに分かれます。
2年目には寮のResidence AssistantやAcademic Mentor, Assistant Donなど寮内の役職について寮費の割引を受けながら安く寮に住む人も多くいます。
3, 4年目になるとほとんどの人はオフキャンパス(大学のキャンパス外)に住みますが、寮に住んでいる人も少数います。
学生寮のメリットデメリット
メリット
まず、友達が作りやすい点がメリットとして挙げられます。
寮に住む生徒は全員食堂のunlimited meal planに入るので、ほとんど毎食食堂でご飯を食べます。そうすると一緒に座っている友達の友達が同じ席に座ってきて話して仲良くなる、というような繋がりがどんどん増えていきます。
食堂のご飯はまずくはないですがとてもおいしいとも言えないので、みんな社交のために食堂に行っているといっても過言ではないと思います。
また、寮に住むことで友達との物理的な距離が近くなるので、夜中まで友達と安全に遊ぶことができます。
うるさすぎると怒られますが、寮にはラウンジなどもあるため複数人が簡単に集まることができます。同じ寮の友達と夜中まで話し込んだ週末は大切な思い出です。
また、異国の地で徐々に一人暮らしに慣れられる点もメリットです。
学生寮では食事を作る必要がないので、私のように18年間実家で暮らしてきた学生からするとそれ以外の一人暮らしから準備を始められたのが嬉しかったです。正直最初の一年に自炊が加わっていたら、料理が得意ではない私にはキャパオーバーになっていたと思います。
デメリット
寮費がアパートに比べて高く付くところと、ルームメイトが会ってみるまでどのような人か分からないことです。
一番安いダブルルームでも8ヵ月で6,238CADと、一ヵ月で8万円ほどの家賃を払っていることになります。
また、寮に住んでいる生徒はunlimitedのミールプランに入ることが義務付けられているため、これとは別に6000CAD近くのお金が必要になる計算になります。
そして、冬休みなどの長期休みには寮が閉まるため、他の滞在先を探すか、別料金を払って長期休暇のレジデンスに住むことになります。
ルームメイトについては、私は幸い良いルームメイトに恵まれましたが、生活リズムが合わない、ルームメイトの部屋の使い方が合わないなどの問題で部屋を変えた友達も多くいました。
ルームメイトのアサインを大学に委託する場合はある程度の覚悟と譲り合いの精神が必要です。
アパートのメリットデメリット
ニューブランズウィック州のアパート事情 (compared to cities)
まず、私の住むニューブランズウィック州は田舎なので、カナダの他の都市と比べて家賃は安い方です。光熱費やWiFi込みで月500CADくらいのところがほとんどかと思います。
そして、アパート探しはとにかく始まるのが早いです。わたしは1年生の秋学期のリーディングウィーク(11月ごろ)には次の年の9月から住むアパートが決まっていました。
数に限りがあるので、卒業する知り合いや、ルームメイトを探している知り合いに根回しをしておくのも作戦の一つです。
アパートのメリット
なんといっても寮より費用が安くつくことです。私が来年から住むアパートメントは月420CAD(光熱費含まず)なので、食費によほどのお金を使わない限り、寮よりも安い計算になります。
また、あらかじめ物件が決まっていて仲の良い友達と住むことができるのもアパートのメリットです。寮でも希望のルームメイトを申請することはできますが、予約の競争があり住みたい人と住めるかは分かりません。
アパートのデメリット
アパートに住む際には、当たり前ですが家事等をすべて自分でする必要があります。
寮に住んでいて共用バスルームを使っている場合、部屋の掃除は自分たちの部屋のみ、食事は食堂で完結するので、家事能力に自信のない人は寮からスタートすることをおすすめします。
また、1年目の社交は食堂や寮で基本が形成されるので、そうでない場合はたくさんのクラブ・ソサエティに所属しているか、よほどの社交性がない限り友達を作るのが難しいかもしれません。
私のケース
私は、一年目に寮のダブルルームに住んだ後、9月からは日本人4人とシェアアパート予定です。 アパートは一人ずつ個室があり、キッチンとバスルームは共用です。
大学の生活に慣れる時間が取れたことや、寮が一緒でなければできなかった友達ができたという点で、やはり1年目は寮にして良かったと思います。
ただし、よいルームメイトであるためにルームメイトと親友になる必要はありませんし、逆にとても仲のいい友達が良いルームメイトになるとも限りません。ルームメイトとはとにかくコミュニケーションをとることがカギになります。
Mount Allison Universityの寮を紹介!
最後に、私の通う大学、Mount Allison Universityの寮を軽く紹介していきます。
- Windsor Hal
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Hal Harper Hallの次に新しく、最近リノベーションされた寮です。スタディールームが各階にあり充実しています。
住んでいる人数も多いのでテスト前は混みがちですが、それ以外は大体空いているので勉強に最適です。キッチンも広くきれいで、theatre roomという大きなスクリーンがある部屋もあります。
部屋タイプは、シングルエンスイート、シングル共用エンスイート、ダブルエンスイートがあります。
- Campbell Hall
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Mount Allison の寮の中で一番大きい寮です。ダブルエンスイート、シングル共用エンスイートの部屋タイプがあります。
部屋は比較的広く、二段ベッドのようなものがあったりと、空間がうまく使われている印象です。
- Harper Hall
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2024年秋から再オープンする寮です。去年は一年中工事中だったので私には実態はわかりません…
- Bennett House
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私が去年住んでいた寮です。共用シャワールームを使うダブル/シングル、シングルエンスイートがあります。私の住んでいた3階は比較的きれいに使用されていましたが、階によっては共用バスルームが汚い場合もあるようです(特に週末)。
ラウンジに卓球台とエアホッケー、Wiiがあります。設備的にはいい方とは言えない寮ですが、アットホームで楽しい一年を過ごすことができました!
- Hunton House
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おそらくSmall residence以外で一番古い寮です。ほとんどの寮はStudent IDが部屋の鍵(カードキー)になっているのですが、ここは物理キーです。
キッチンやラウンジの雰囲気はよく、サッカーゲームやカードゲーム等がそろっています。キッチンは、私の友達の間ではキャンパスの寮の中で一番いいと言われていましたが、換気扇がないので(北米のキッチンに多い?)fire alarmには注意しないといけません。
部屋タイプは、共用シャワールームを使うダブル/シングルです。
- Bigelow House
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私が去年住んでいたBennett houseとペアでBig Benと呼ばれています。
Bennettと同じ部屋タイプがあり、ラウンジが良い雰囲気だと言われていますが、私はあまり入ったことがないので正直雰囲気は分かりません。
- Thornton House
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ラウンジにマッサージチェアが置いてある印象が強すぎて他のイメージがありませんが、Thornton HousとペアになっているEdwardsよりははるかに良いと私の周りの友達はよく言っています。
- Edwards House
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キャンパスの南端にあるため、存在感が薄いです…
部屋タイプは共用シャワールームを使用するシングルがあります。シャワーに鍵がかからないカーテン型?らしく、あまりよくない噂を聞いたことがあります。
- Small Residence Communities
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上に挙げた寮以外にも、Small residenceと呼ばれる小さな一軒家のような建物に~数十人住んでいる寮があります。
基本的には他の寮と比べてキャンパスから少し離れており、不便なのであまりおすすめはしません。しかし、小さいレジデンスだからこそ生まれる絆もあるようです。
終わりに
以上がカナダ(NB州)とMount Allison Universityの住宅事情でした。個人的には、迷ったらとりあえず寮に住むことをおすすめします!
これらがカナダ留学を検討している方の、寮やアパート選びの参考になれば幸いです。良きキャンパスライフを!