マレーシア留学生の悩みといえば、バイトが基本的にできないこと。ですが今は円安で留学費用がかさむ…
そんな時は、ココナラをはじめとしたクラウドソーシングサイトに登録して、自分の趣味やスキルを生かしてお金を稼いでみるのはどうでしょうか?
私は音楽が趣味なので、実際にココナラというサービスで「耳コピでのオーダーメイド楽譜の作成」を出品して、何回かお仕事をいただいています。今回は1万円の高単価案件を獲得したので、そちらを完了するまでの流れやかかった時間などを紹介しようと思います。
YouTubeチャンネルもぜひ見てみてください!
ココナラとは?
ココナラは有名なクラウドソーシングサイトの一つです。
クラウドソーシングというのは業務委託の一種で、主にオンライン上で企業や個人が不特定多数の人に向けて仕事を発注するシステムとなっています。
仕事を依頼する側は必要なときに必要な能力を持った人を採用できるためコスト削減が可能となり、仕事を請け負う側も好きな時間・場所で自身のスキルを活かした働き方が可能となる、近年人気が高まりつつあるビジネス形態です。
仕事の内容としては
- システム開発、プログラミング系
- 翻訳やウェブライティング
- データ入力
- オンラインコンサルタント、お悩み相談、占い
- デザイン、イラスト納品
- 歌い手、楽譜制作
などがあり、ヨガの資格を持っている友達はオンラインヨガ講座を1時間数千円でやったり、プログラミングが得意な友達はスクレイピングなどの作業をやったりしているそうです。
どんな案件がもらえるの?
私が出品しているサービス
私の場合は、
- J-POPのピアノソロ楽譜やピアノパート譜をオーダーメイドで作るサービス
- 耳コピのやり方を習得するための音楽理論講座のサービス
を出品しています。海外大学関係だと、進路相談とかも受け付けています。基本的にはオーダーメイド楽譜のサービスで依頼が来ることが多いです。
基本的にはマイナーな曲のピアノ・キーボードパートの依頼が来ます。社会人などでコピーバンドをされてる方で、楽譜が手に入らない楽曲を演奏したい!という人からの需要があるのだと思います。
前までは1分当たり500円~などで採譜を行っていましたが、流石に時給換算するとエグいことになるので、最近は依頼もボチボチいただけるようになったため少し単価をアップすることにしました。
今回頂いた案件
今回頂いた案件は、とあるアーティストの楽曲のピアノ弾き語り用の楽譜を作ってください!との依頼で、原曲はピアノ一本+歌声のみで、ボーカルの楽譜とピアノ伴奏を原曲に近い形でのコピー希望とのことでした。
今回は採譜難易度なども考慮して
- ボーカルの楽譜:1分当たり650円
- ピアノ伴奏の楽譜:1分当たり1000円
という計算で、曲の長さが約6分(←長い!)あったので1650円×6分で1万円の見積もりで話を進めました。
作業の流れとかかった時間
あまり詳しい内容を見せるとマズい気もするので、上手いこと内容をぼかしながら説明していこうと思います。
こちらの作業手順は普段私がYouTubeに動画を投稿している時も基本的に同じです。
作業の流れ
ココナラでは自分から仕事を探すこともできますが、基本的に私はクライアント様から依頼に対応する形で受け身で仕事をすることが多いです。
まずは見積もりメッセージが届きますので、私の場合はここで
- 採譜して欲しい楽曲の音源
- 作ってほしい楽譜のテイスト(原曲に忠実に…など)
- 採譜する範囲
- 値段
などを確定させるようにしています。
今回は先ほど書いたように6分の楽曲で、最初は全部込みで3500円で見積もりが来ましたが、それだと時給が死んでしまうので1万円で再度提案させていただきました。
提案がクライアント様に受け入れられると、専用のトークルームに移行して作業開始になります。私の場合は基本的に納期は一週間前後で設定することが多いです。
送られてきた音源がYouTube上のものだったりする場合は、流石に再生する度に毎回手動で巻き戻したりしているといつまで経っても終わらないので、音源をmp3ファイルとかでダウンロードしておきます。
オンラインのサイト上でダウンロードしても良いのですが、最近Pythonでこんな感じのライブラリたちを使ってコマンドプロンプトでダウンロードしたほうが早いことに気づいたのでそうしています。
import os
from yt_dlp import YoutubeDL, DownloadError
from pytube import YouTube
from pydub import AudioSegment
import requests
ダウンロードした音源は聞々ハヤえもんというソフトにインポートします(写真左側)。
こちらのソフトは特定の区間だけリピート再生したりボーカルキャンセルや音程調節ができたりと、耳コピの補助をしてくれるソフトです。スマホでもパソコンでも使えるので神です。
また、moisesというソフトも最近使っています(写真右側)。
こちらはAIが自動で楽曲の音源分離を行ってくれるソフトで、ボーカルキャンセル(無料版でもできます)の精度がめちゃくちゃいいので、困った時に使います。
採譜ソフトはMuseScoreを使っています。無料だし、大体の採譜者はこれを使っていると思います。
Finaleも購入したのですが、こちらはちょっと操作方法が難しい&動作が重たいので、今の所あまり使ってはいません。そろそろ使い方に慣れなきゃいけませんね。
採譜はこんな感じでMIDIキーボードを使ってやっています(KORG製のものがタッチもよくておすすめ!)。イヤホンは有線のほうがいいですね。
前置きが長くなりましたが、耳コピに必要な道具はYouTubeでも紹介しているので見てみてください!
まずは曲のBPMを知るために、先ほど入手した音源ファイルをWaveToneにブチ込んでいきます。
こちらは楽曲の音源ファイルの音程やキー、コードやテンポなどを自動で解析してくれるソフトです。使い方は動画で解説しています。
スマホにメトロノームアプリを入れて手動で計測しても良いですが、こちらのソフトで計ったほうが正確で早いです。キーやコード解析もできますが、転調とかが入るとめんどくさいので、私はいつもテンポだけ計測しています。
今回は160と出たのでこちらを採用します。キリもいいし多分正解かと思いましたが、原曲を聞くとBPM=80で採譜したほうが都合が良さそうだったのでそこだけ変更しました。
BPMの計測が完了したら、MuseScoreに楽曲のタイトルや作曲者名などを記入していき、いよいよ耳コピスタートです。
ボーカルを採譜していきます。まあここは鼻歌を歌える人なら誰でもできますね♨
一度ざっと採譜が完了したら、原曲と合わせて聞いてみて違和感(主にテンポ)がないか確認していきます。
大丈夫そうでしたら、Ctrl + Lキーで歌詞も入力できますので、メロディーラインが取れたら歌詞も入れていきます。
ちなみに、MuseScore 3では「_(アンダーバー)」で歌詞を伸ばすことができたのですが、4ではバグでできない仕様になっているため、今回は「-(ハイフン)」で代替しました。
あと、ここでメロディーラインをなぞりながら終始間のある音を探すと曲の調号も分かりますので、そちらも入力しておきましょう。
ちなみに、近年のJ-POPについては明らかな場合を除き基本的には長調の楽曲であるとして考えると楽です。理由はこんな感じです。
- 丸サ進行をはじめとして7thコードが多用されていたりして、長調とも短調とも言えない楽曲が多いから
- 楽譜を作成する上では別にどちらでも構わないから
- パッと聞いてお辞儀の和音のような終始感がある音(長調の主音)を見つけたほうが楽だから
次に、左手を採譜します。まずは一番低い音(ベース音)を耳コピしましょう。今回はピアノだけでしたが、バンドの楽曲でしたらベースパートの音を取りましょう。
まずはなんとな~く音取りをします。最初に聞き取るとこんな感じでした(本来は楽譜に書き起こしませんが、説明のために記載しています)。
ここから、コード進行のルート音が導けますね。今回のこの4小節は、C#→G#→A→E→D#→C#→G#→Aという流れであることが分かりました。
次に、ルート音の上で実際に鳴っている音を耳コピしていきます。
今回はピアノの曲だったのでそのまま音を記入するだけですが、バンドの楽曲をピアノソロに編曲する場合はいい感じに自分でピアノ用にアレンジしましょう。ここで、大体のコード進行が確定します。
というわけで、左手の耳コピが終わったら右手も採譜します。
この部分は単音だったので容易にコピーできましたが、難しい場合は先ほどの聞々ハヤえもんなどを活用するとよいでしょう。慣れると自力でもできます。
和音の聞き取りのコツは👇の動画で解説していますが、四部合唱のそれぞれのパートが動いているかのようなイメージ聞くといいです(説明が難しい)。
あとは、先ほど導き出したコード進行から、「多分この音が鳴っているんじゃないかな~」と推察しながら耳コピしていくのが一番早く、かつ相対音感の人でもやりやすいやり方だと思います。
コードを認識した状態で右手の耳コピに移行できるからという理由で、左手から採譜をスタートするほうが便利だと思います。
次に、譜割りやレイアウトの調節をして見やすい楽譜にしていきます。具体的には
- 4拍の楽曲であることが認識しやすい連桁の分け方になっているか
- 繰り返し記号などを用いて短く書ける部分はないか
- ダ・カーポ、ダル・セーニョを使ったために見づらくなっていないか
- ト音記号、ヘ音記号を使い分けたほうが見やすくなる部分はないか
- 右手、左手の分離でもっと良い指使いはないか(ここはピアノの実力が反映されると思う)
などのポイントを見ながら、こんな楽譜だったら見やすいだろうな~という演奏者の気持ちを汲み取って楽譜を再編成していく作業になります。
ガチ勢になるとページの譜めくりの部分の位置調節からスラーの細かい角度の操作まで全部手動で行うそうですが、私はまだそこまで手が回せていないので、浄書については勉強中です…
あとは楽典や記譜法の知識があるとやりやすいでしょう。以下の二冊はガチで良書なので、全人類におすすめです!
というわけで、ここまでで一通り楽譜は完成です。
最後に作った楽譜をMIDIファイル化してSynthesiaで読み込んで、もう一度原曲と合わせて聞いてみます。
こうして視覚化してみると楽譜だけだと分かりづらい運指も見えるので、実は右手と左手の音が重なっていた!なんてエラーも防げます。
また、当日中に聞くよりも、一日楽譜を寝かせてから聞くと耳コピミスもよく発見できるのでおすすめです。
これで完璧!と思ったら、ココナラのトークルームに戻って納品します。私の場合はPDFファイルでの完成品と、作品の確認用に音源ファイルを提供させていただくことが多いです。
クライアント様に納得していただけたら、お互いの評価を完了して取引完了です!
本題から逸れるので今回は割愛しますが、ピアノロール動画の作り方が知りたい方はこちらの記事を見てみてください!
作業時間
というわけで、ここまでの手順を振り返ってみましょう。
- クライアント様との連絡
- 音源ファイルと採譜ソフトの用意
- 楽譜の基本情報の入力
- ボーカルの採譜+歌詞入れ
- ピアノ(左手)の採譜
- ピアノ(右手)の採譜
- 譜割りやレイアウトの調節
- 最終確認後、納品
今回のお仕事に関しては、6分もの長さの楽曲だった上に繰り返しがほとんどなくて超大変でした。
- クライアント様との連絡:音源の確認含め、15分
- 音源ファイルと採譜ソフトの用意:10分
- 楽譜の基本情報の入力:5分
- ボーカルの採譜+歌詞入れ:2時間+30分
- ピアノ(左手)の採譜:2時間30分
- ピアノ(右手)の採譜:3時間30分
- 譜割りやレイアウトの調節:👇
- 最終確認後、納品:7と合わせて2時間
初めての高単価な案件だったということもあり、気合を入れて完璧に仕上げようとしたのでめちゃくちゃ時間がかかってしまいました。しかも、翌日音源を聞き直してみたらめっちゃミスが出てきたので、最終確認にとんでもない労力がかかりました😭
正直に合計すると11時間くらいになったので、時給換算で言うと900円とかですね。もっと作業を雑にやったりすれば時給は高くなりますが、楽譜制作にはこだわりがあるのでそれはできませんでした。
といいつつ、普段は余裕で1500円~とかの時給を超えているはずなので、今回の作業は見積もりが甘かったかもしれません。単価が安すぎたようなので、この採譜難易度だともう少し値段を上げたほうがいい気がしたので、次回以降の価格設定の勉強にもなりました。
旅行中のバスの移動時間とか、暇なときに音源を聞き込んでいれば時間短縮はできます(一応)。
終わりに
というわけで、大学生が1万円の耳コピ案件をこなすまで、ということで作業手順を解説してみました。クラウドソーシングの素晴らしさを伝えようと思ったら、いつの間にかただの音楽の記事になっていましたね笑。
実はクラウドワークスやランサーズもやってはいるんですが、依頼はココナラでしか来たことがありませんし、「友達でもここでお仕事をいただくことが多いよ~」と言う人が多いので、クラウドソーシングに挑戦したいならまずはココナラでやってみるといいんじゃないかと思います。
今の所特にトラブルになったことはなく、楽しくお仕事をさせてもらっているので、とてもいいサービスだと思います。
自分の好きなことでお金をいただけるととても気持ちが良くて楽しいので、みなさんもぜひやってみてください!