先日、東京大学のGCIの講座を受講していて、もう少し機械学習のことについて詳しくなりたいな~と思ったため、石川 聡彦さん著の「人工知能プログラミングのための数学がわかる本」を読みました。
どのサイトでも人工知能に関しての基礎的な部分の数学が大体分かるので初学者におすすめ!と書かれていたため購入してみましたが、めちゃくちゃ良書でした。今回は内容やおすすめポイントについてレビューしていきます!
基本情報
- タイトル:人工知能プログラミングのための数学がわかる本
- 著者:石川 聡彦
- 出版社 : KADOKAWA
- 出版日:2023年5月29日
- 読んだ日:2024年6月中旬
- 値段:2750円
書いてある内容
以下の内容が書いてあります。
- CHAPTER 1 数学基礎
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中学1 年から高校の数学を復習し、機械学習で使う数学の「入門レベル」を固めます。
関数のやユーグリッド距離定義、数列や極限についての簡単なレクチャーがありました。
- CHAPTER 2 微分
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微分の概念や表現方法を学びます。機械学習では「ディープラーニング(深層学習)」「ニューラルネットワーク」「最小2 乗法」「勾配降下法」「誤差逆伝播法」などで微分を活用します。
微分とは何か、から始まり、数3で取り扱うような合成関数の微分や偏微分について書いてありました。
- CHAPTER 3
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高校の範囲に大学1 年で学ぶ線形代数を加え、ベクトル・行列・線形変換を学びます。線形代数は膨大なデータや複雑なシステムを扱うのに役立ちます。
ベクトルと行列の持つ意味や簡単な四則演算について書いてありました。
- CHAPTER 4
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確率・統計は「傾向を知り、限られたデータから全体像を予測する」ために、機械学習で活用されます。分散・尤度・正規分布などの難しい用語もやさしく学びます。
高校数学の「確率分布と統計的な推測」で取り扱う内容を主にやりました。それを最尤推定の概念に結び付けて説明がされていました。
【新課程】数学Bの確率統計を3日でマスターして共通テストで無双する勉強法|Ray マレーシア留学🇲🇾 共通テストの数学2B、計算量も多くて時間が足りないという人も多いのではないでしょうか。 そこで今回は、数学Bの選択問題でベクトルや数列の代わりに「確率分布と統計的な… - CHAPTER 5
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「データから住宅価格を推定する」ことを題材に、線形回帰モデルを理解します。
質的データや量的データとは何なのか、過学習とは何なのか、といった機械学習の基礎的な実装方法からモデルの評価方法についても学びます。
- CHAPTER 6
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「文学作品を分析する」ことを題材に、自然言語を数学的に表現する方法などを学びます。
MeCabを利用して、与えられた文章の作者が太宰治・芥川龍之介・森鷗外の誰なのかを判別するモデルを作ります。単語をベクトル化して解析する手法について学びます。
- CHAPTER 7
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「手書きの数字を認識させる」ことを題材に、ディープラーニングの一種であるDNNを、画像認識から学びます。
ニューラルネットワークの仕組みについて詳しく解説されています。重みづけや誤差逆伝播法といった概念についても学びます。
読んでみた感想
コンセプト通り、ある程度必要そうな数学の部分が幅広くカバーされていたので、こちらの内容が理解できれば専門書の内容の基礎的な部分(ぼんやりと何を言っているのか)は分かるようになると思います。
数式だけでなく、具体的な数字を当てはめた例題などもいくつかあり、理解が進みました。
また、数学だけでなく3つの実践編のチャプターも合わせて、どうやって数学の手法を機械学習に落とし込んでいるのかについて、こちらも具体例を用いて説明されているのがいいなと思いました。
本書はプログラミングの教科書ではないためPythonでの具体的なコードは本の中に記載してありませんでしたが、簡単にでもそれが書かれていればさらに理解が深まったのにと思います。実際のコードが見たい人は、GitHubのURLもありましたので、そちらを見ながら読み進めるのがいいと思います。
また、本のデザインも見やすく、色使いも好みでカッコよかったです。イラストも多いので、視覚的に図を見ながら数学や機械学習の概念を学習することができます。
この本がおすすめな人
この本は
- 人工知能を使ってはいるが、アルゴリズムで用いられている数学については理解できていない人
- AIに関連する数学を一通り学習したい人
- だが、数学Onlyのバリバリの専門書ほどガッツリ学習したいわけではない(数式アレルギー)の人
- 図も使って視覚的に数学を理解したい人
- 数学が実際に機械学習の内部でどのように使われているのか、具体例を見たい人
におすすめです!全体的に良書で非常におすすめですので、初学者の方なんかは一度手に取ってみるのがいいのではないでしょうか?
逆に、そこまで深く数学の内容をやるわけではないので、理系の大学に通っていたりして教養程度の数学は理解している(行列や統計など)という人にとっては既知の内容が多いかと思いますので、必要ないかもしれません。
本レビューが参考になれば幸いです!購入はこちらから👇