海外大学への進学を考えているけど、なかなかその決断に踏み出しづらい…
そんな方も多いのではないでしょうか?
今回はチェコのマサリク大学医学部に在籍中のぱんださんに、海外大学を目指したきっかけやその過程での困難についてインタビューさせていただきました。
進路選択に悩んでいる人はぜひ参考にしてみてください!
インタビューに答えてくれた人
- 名前 : ぱんだ
- 所属大学・コース:Masaryk University, Faculty of medicine General medicine専攻
- 留学期間:2020年9月~
- 留学時の英語力:IELTS 7.0
- 出身高校:日本の私立高校
- 海外経験:アメリカ、カナダに2週間以内の短期留学
- 課外活動等の実績:生徒会会長・副会長 県の私学協会主催の海外派遣事業参加 (ベトナム) など
- 合格校:Masaryk University 医学部医学科, 医学部ファウンデーションコース(チェコ), Charles University 医学部 ファウンデーションコース (チェコ)
- 不合格校:Charles University 医学部医学科 (チェコ)
私立の中高一貫校出身です。留学経験はほぼありませんでしたが、海外憧れる気持ちがいつの間にか私をチェコまで運んでくれていました。学生時代は自由奔放に生徒会活動に明け暮れる日々でした。
韓国ドラマを観るのが大好きでハマると一気見することもしばしば。私的ベスト韓ドラ オブザイヤー2023は「キング・ザ・ランド」です。
マサリク大学ってどんな大学?
マサリク大学は1919年にチェコの第2の都市、ブルノに設立された総合大学です。医学部、スポーツ学部、理学部など合計10学部で構成されています。
チェコ語で行われるコースとは別に英語コースが編成されており、大学全体のおよそ4割が留学生です。通常の学部生とは別に、Erasmusと呼ばれるヨーロッパ各地から集まる短期の留学生も多く在学しています。 もちろん、ヨーロッパの他大学に自分がErasmus studentとして短期留学することも可能です。
医学部では近年SIMUと呼ばれるシミュレーションセンターが併設され、1000を超えるリアルなシミュレーターで臨床実習に向けた練習をすることができます。 下級生のうちからこのシミュレーターで実践的な経験を積めるのが大きな特徴です。
なぜ海外大学へ?
もともと世界を舞台に仕事をしたいと思っていたのでいつかは海外に行かないとなとは思っていましたが、医学部×留学という選択をするには「まだ早いのかな」という気持ちもあり日本の医学部を目指していました。
そんな私に高校2年生の冬、運命の瞬間が訪れます。
ある日、「この段ボール、倉庫に置いてきて」と先生から渡された箱の中のある人と目が合いました。「チェコ医科大学」と書かれたパンフレットに載っていた方です。
「これだ!!!!」
謎の運命を感じた私は速攻リサーチ開始。1ヵ月後には大学事務局主催の説明会に参加し、受験を決断。
気づけば今、その大学で4年生です。
マサリク大学を選んだ理由は?
運命のおかげ、ですね笑
ただ、パンフレットには全部で3つの大学が掲載されており、その中から私がマサリク大学を選んだ理由は3つ。
1. 綺麗すぎる図書館
パンフレットに載っていた綺麗な図書館に一目惚れ。高い天井に明るく温かみのあるデザイン…
この机で私も勉強したい!と思いました。
残念なことに私が入学した時は新型コロナウイルスの影響で臨時閉館しており、その期間に構築した勉強サイクルの影響でほとんど使用したことはありません笑 それでもたまに廊下の窓から図書館を覗いてはいまだに惚れ惚れしています。
2. 新設されたシミュレーションセンター
冒頭でも紹介したシミュレーションセンター SIMU。私が入学した2020年から本格的に授業での使用が始まったばかりの施設です。
1000を超えるリアルなシミュレーターで下級生の頃から実践的な練習ができます。オペ室のシミュレーションルームなんかもあって、めちゃくちゃリアルです。
3. ブルノという街
チェコの東部に位置する都市、ブルノはチェコ第2の都市です。街中には教会やお城があり、中世の街並みも残るとても素敵な雰囲気。 加えてブルノには13もの大学があり、大学生も留学生もたくさんいる街です。
程よく都会で、でものんびりした雰囲気で「暮らしやすそうだな」という直感が大きな決め手になりました。
英語力、受験事情について
出願に関しては東京にある事務局を通して行いました。基本的な必要書類は願書、成績証明書、卒業証明書、簡単な志望動機書といった感じで、他の海外大に出願するのと変わらない内容だと思います。SATのような特別な試験を受ける必要はありません。
最終的に出願した時の英語力はIELTS6.5でした。
IELTS 5.5以上で英語試験の免除が受けられたため、1次試験は化学と生物を日本語で、2次試験は生物、物理、化学を英語で受験しました。マサリク大学の1次試験は生物、化学、物理から2科目を選択で受験言語は日本語もしくは英語、2次試験は生物と化学が必須で物理と数学は好きな方を選択することができます。2次試験の言語は英語のみです。1次試験の時に面接があります。主に日本語で行われますが、少し英語で行われた部分もありました。
海外大学進学で困ったこと
海外大進学の代表的問題、情報不足には悩まされましたが事務局の方にメールするとすぐに返答してくださったので大きく悩むことはありませんでした。
海外大学に進学する人がほとんどいない高校だったので先生方の理解や協力を得るのに最初は少し苦労しましたが、密にご指導頂く先生を早めに決めたことが最短ゴールに繋がったと思います。
今後の進路や目標
現在4年生で、卒業までの約2年間、目の前にある勉学に真摯に向き合おうと思います。 Erasmusと言ってEU圏内の大学であれば留学するのも簡単なので、可能であれば行けたらなという感じです。
マサリク大学は卒業試験が国家試験とみなされているので、卒業と同時にEUの医師免許を取得することができます。 夏頃の卒業になるので次の年の2月までは勉強して日本の医師国家試験を受験する人が多いです。マサリク大学は日本の厚生労働省が定める基準をクリアしている大学なので、日本の医学生と同じように試験を受けることができます。
卒業後は日本の国家試験を受験してひとまずは日本で働きたいと考えています。ただ、せっかくEUの医師免許も取れるのでいつかまた戻ってくるのもありかなと考え中です。
メッセージ
海外の大学に進学する、というのは決して簡単な選択ではないと思います。 仲間や応援してくれる人がなかなか見つからなかったり、情報が少なかったりと悩みは尽きないとは思いますが、この経験はのちの学生生活を生き抜く原動力となると思います。
そして探してみれば、多くはなくても必ず仲間や応援してくれる人がいます。
私の記事が海外大学を目指す皆さんの道標や希望に少しでもなればと思っています。お互いに頑張っていきましょう!