マレーシアに留学してもう2年が経って、これからモナッシュ大学の2年生になります。
私も他の人と同じく、格安でオーストラリアの名門校の学位を取得できるという魅力に惹かれて進学を決めたのですが、実際に通ってみて感じたのが「分校であることのデメリット」でした。
最大の魅力であるかのように語られる「分校」というカテゴリですが、「分校=別キャンパス」という立場だからこそ生じる、モナッシュマレーシア校の制度的・教育的なデメリット(メリットもあるよ)を、リアルな視点からお伝えします。
実際に通ってみてから気づいたことをメインで書くので、他のブログなどには載っていない情報もたくさんあって、この記事は結構有益だと思います。深夜に書いたのでちょっと論理的に何言ってんだコイツみたいなところがあったらすみません。

分校だからこそのデメリット
制度的な融通の効かなさ
最も大きなストレスは、本校のルールに厳格に従わざるを得ないこと。
例えば課題の提出システム。モナッシュでは「一度提出したら修正不可」という方式ですが、「締切前にもう一度出し直したい」というシンプルな要望や提案すら通りません。
なぜかというと、理由は「本校がそう決めているから」。何か合理的な理由があるのかと聞いても、「本校とルールを合わせなくちゃいけないから」という理由で却下されます。
これ以外にも、色々こうしたら大学過ごしやすいのにな〜とか、ここのあたり融通きかせてくれないかな〜といったオーダーは基本的に通らないと思った方が良いです。
履修の調整や単位振替、授業時間の変更などについても柔軟に対応してくれるマレーシアの大学が多いのですが、この辺りもほとんど融通が利かず、「本校との整合性」が最優先されます。
現地の学生数や事情に応じた柔軟な対応が難しいのは、分校ゆえの弱さだと痛感しています。
アイデンティティの曖昧さ
モナッシュ大学マレーシア校は「インターナショナルキャンパス」として紹介されることが多いですが、実態としては中華系マレーシア人や中国人が大半で、いわゆる“多国籍”とは言いづらい環境です。
また、「同じ学位」とはいえ、実際の学習環境だったり英語のレベルは本校とは異なるんじゃないかと勝手に思っています。成績だけ見るとマレーシアキャンパスとオーストラリアキャンパスはそこまで大差ない(情報学部の場合)んですが、採点基準とかも結構個人差があるみたいだし。
世界大学ランキングの数字と、目の前のリアルな教育環境との間に、どうしてもギャップがあるのです。
看板は強い。でも中身が伴っているかといえば、それは場所次第。分校だからこそ生じるブランドと現実のズレは、常に意識しておく必要があります。

実際は同じ学位じゃない扱いになる
留学エージェントや大学側は「卒業証明書にはマレーシア校とは記載されないし、本校と同じ学位がもらえるよ」と言いますが、実際はそうではないようです。
というのも、就職活動なんかだと、マレーシア校を卒業していると舐められてちょっと不利になるということが実際によくあると言われています。
こちらに関しては明確なデータがあるわけでもないですが、海外の企業を受ける先輩(日本人以外も含む)の多くがそう言っているので、ある程度事実なのでしょう。

大学院進学の場合はどうなるのかも気になるね。
まあそれだけで足切りを喰らうわけではないでしょうが、理屈上全く同じ学位なのと、世間的に全く同じ学位として認められるかどうかは別物だということは知っておく必要があります。
日本企業の場合は就活でも大丈夫なことが多いそうです。
限定的な環境とリソース
キャンパスは都市型で利便性が高い反面、物理的な制約が目立ちます。昼休みの食堂は座れない、図書館は試験期間に満席、研究設備も予約が取りづらい――と、学生数に対してインフラが追いついていない印象です。
また、奨学金制度の少なさも悩みのひとつ。私は前学期、主席クラスの成績を取って表彰されましたが、それでも支給額はRM5,000ほど(学費は値上がりしているのに!)。学費の高さに対して、経済的支援が限定的なのは厳しいところです。
これは、本校がオーストラリアの国立大学であり、制度の自由度が低いという背景もあるように感じます。
あとは、本校でしか開講されていない授業とかコースもたくさんあったり。
前半については別に「分校だから」という理由にはなっていませんが、一応本校との違いについて書いておきます…


分校であることのメリット
ここまで言うと分校だから悪い!みたいな印象になってしまいますが、特にそんなにひどいとは思っていないので、メリットについても書いておきます。
私がモナッシュ大学の主席犬としてしっかり褒めておくので、これをもし大学のスタッフさんが見てても私を除籍とかにしないでください。お願いしますなんでもします。
ブランド力が思っている以上に高い
やっぱりモナッシュのブランド力っていうのは世間的にも結構強いらしいです。例えば就職活動だと、ガクチカとかがあまりなくても文系だったらBIG4くらいはみんなそこそこ行くらしいです。
マレーシアの中でも「モナッシュ大学の学生です」というと初対面の現地人からも「賢いんだね!」などと言われることが多いので、このブランド力の高さは非常に大きなメリットだと思います。
学費が本校よりも安い
マレーシアのモナッシュ大学の日本人は1億%この理由で進学してきますが、やっぱりこれが一番の強みだと思います。
上記のブランド力を本校の3分1のくらいの価格で手に入れられるとなると、割とコスパが良い。
200万円の価値がある教育レベルなのかは人によるんじゃないかなとは思いますが、500万円も600万円も一年間に学費を出すのは相当しんどいと思うので、これはありがたい。
分校だから、色んなことが緩い
あくまでメインはオーストラリアの大学で、それがマレーシアにお邪魔させてもらっているという感じ。だからこそ、逆にマレーシアのめんどくさい影響は受けません。
例えばでいうと、MPU。政府の決まりによってマレーシアの大学生(国立大学以外)はMPUという一般教養みたいな科目を受けることになるんですが、他の大学だとこれがまあ大変なんです。
一週間に何コマか対面で授業あって、課題もあって、GPAにも反映される科目なので手を抜けません。
ですが、モナッシュ大学なら1科目(モナッシュは合計3科目履修する)半日もあれば終わりますし、ほぼ確定で最高評価がもらえます。
その代わりGPAには反映されない(成績証明書には記載される)という決まりはあるのですが、それにしても楽。


もはやあくまで形式上マレーシア政府に媚び諂っているだけなんじゃないかと思ってしまいますが、こういうマレーシア留学特有の面倒なところ(私は早く専門的な学びをしたいので)を無視できるのは分校だからこそのメリットだと思います。


本校のリソースの恩恵を受けられる
これに関してはあまり説明はいらないかと思いますが、オーストラリア本校に交換留学に行けたり、本校で培ってきた教育のメソッドやリソースなどがこちらでも利用できるというのは分校だからこその魅力だと思います。
教育レベルがしっかり統一されている
先ほど変な先入観で「分校だからレベルがな〜」などと言いましたが、実際はそうではないのかもしれません。
確かにルールに柔軟性がないのは残念ですが、言ってしまえばそれだけ本校との整合性が確保されているという証拠でもあります。
実際、オーストラリアに交換留学した人からも「そこまでレベルが違うとは思わない」という話もちょくちょく聞く(人による)ので、マレーシアもしっかりモナッシュ大学としての質が担保されている可能性はそこそこあるんじゃないかと思っています。



この辺りは来学期にオーストラリア本校に行って調査してくるので待っててください!
終わりに
モナッシュ大学マレーシア校には、コスパの良さ・交換留学の豊富さなど、他にはない魅力もたくさんあります。
ただ一方で、「分校であるがゆえの制約や期待とのズレ」も確かに存在しています。
大学を選ぶときは、“どの大学か”だけでなく、“どこのキャンパスか”も含めて考えることが大切です。分校ならではの制度面・教育面の特徴を理解したうえで、自分に合うかどうかをじっくり判断してみてください。

