実は私はNFT関連の会社でもインターンシップをさせていただいたりしているんですが、その技術や市場を勉強していくうちに、「NFTって本当に流行るのかな?」と疑問を抱くようになりました。
一時期のブームはすごかったけど、冷静に考えると、NFTが広く普及するにはいくつかの壁がある気がします。今回はその壁についての考察を書いてみます。
そもそもNFTって何?
NFT(Non-Fungible Token、非代替性トークン)は、ブロックチェーン技術を使ったデジタル資産で、画像、音楽、動画などのデータに「世界で唯一のもの」という証明を付ける仕組みです。
ビットコインは同じ価値のものが複数存在しますが、NFTはそれぞれがユニークで、所有権がブロックチェーン上で明確に記録されます。これにより、デジタルアートやゲームアイテム、仮想不動産などが「自分のもの」として取引可能に。2021年にはデジタルアートが69億円で売れるなど、一時大きな話題になりました。
でも、NFTの本質は「所有権の証明」。実物があるわけじゃないし、誰でもコピーできるデジタルデータを「所有する」ことにどれだけ価値を見出せるかが鍵です。
次のセクションで、なぜこのNFTが今後そんなに流行らないかもしれないのかの理由を掘り下げてみます。
NFTが流行らない理由
NFTが流行らないんじゃないかと思う理由は、「ブームの発端となるべき存在の最近の若者」にはあまりNFTは刺さらないんじゃないかと思っているからです。
そもそも論、新技術のブームは10~30代が中心
まず前提として、新しい技術やトレンドが広まる時は10~30代の若者が火付け役になることが多いです。SNSの爆発的な普及、TikTokのダンス動画、ミーム文化だって、若者が「これ面白い!」と広めてバズったからこそ。例えば、Instagramは2010年代に若者を中心に流行り、2020年にはユーザーが20億人を超えたんです。
なぜ若者かといえば、彼らは新しいものに敏感で、SNSで情報を拡散する力があるから。ブランドや企業も、若者のトレンドをキャッチしてマーケティングに活かすのが定石です。
だから、NFTも広く流行るなら若者が「これカッコいい!」って飛びつくのが理想。でも、実際はそう簡単じゃなさそうなんですよね。
若者の興味を引くのが難しい
でも、NFTって、若者にそこまで刺さってない気がするんです。
まず、最近の若者は「独占欲」が薄い。昔はCDやDVDを買って「自分のコレクション!」って感じだったけど、今はSpotifyやNetflixのサブスクで十分。音楽も映画も「所有」というよりは使い捨てに近い感覚になっている。
だから、NFTの「自分だけのデジタル資産!」っていうコンセプトは若者にはピンとこないんじゃないかなと思います。「別に絵の所有権を持ってたから、何?」みたいな感じで。
私もNFTのアイコンとかもらっても「別に偽物でも、スクショでも見た目が同じだったらいいや」となると思います。
実際問題、2023年の調査では、NFTへの関心は投資家やテック好きに偏っていて、若年層の関与は低いままです。 若者が動かないと、ブームの火種が弱まっちゃうんですよね。
投機目的の人がほとんど
今、NFTを買ってる人の多くは、値上がりを見込んで投資してる人たち。2021年のNFT市場は170億ドルに急成長したけど、投機的な市場を牽引してました。
でも、2022年にバブルが崩壊。取引量は90%以上減り、8割以上のNFTコレクションが価値ゼロになったという報告も。つまり、NFTは「使えるもの」としてじゃなく、「儲かるかも」っていう期待で買われてただけ。
これじゃ、持続的な人気は生まれないと思います。新技術は、投機を超えた実用性があって初めて根付くものですし、こういうお金目的で人が群がるコンテンツというのは面白くならないので大体廃れていく運命です。

星野ロミさんの考察と意見
他の意見で言うと、漫画村で有名な星野ロミさんがNFTについて鋭い考察をしていて、参考になったのでこちらで動画の要約をしておきます。
「何に使えるのか」が曖昧
NFTは「デジタル所有権」という新しいアイデアで注目されたけど、「実際何に使うの?」がはっきりしないままブームが過熱したイメージ。投機的に買う人が増えたけど、実用性の薄さみたいなのが目立ちました。
デジタルアートはコピーし放題だし、NFTのゲームアイテムもゲームの人気が落ちれば価値が下がる。実用性が明確じゃないと、ブームは一時的で終わっちゃいます。
スマートコントラクトも代替技術で十分
NFTの強みの一つは、所有権や取引を自動化するスマートコントラクト。
でも、従来のWebシステム、たとえばクレジットカード決済やデータベースで、似たようなことはできちゃう。NFTの「改ざんできない」特徴は魅力的だけど、日常生活でそんな高いセキュリティが必要なシーンって少ない気がします。
参入のハードルが高い
NFTを買うには、仮想通貨ウォレットの設定やガス代(取引手数料)の理解が必要。でも、メタマスクの設定とか、初心者にはめっちゃ難しい。
私も最初はウォレットの仕組みでつまずきましたし、一般の人が気軽に始められないのは大きな壁。市場の参加者がクリプトに慣れた人に偏ってるのも、普及の妨げになってると思います。
終わりに
というわけで、NFTはブロックチェーンを使った新しい「所有」の形として一時注目されたけど、若者の心を掴みづらかったり投機に頼りすぎたりで、広く流行るのは難しいかもしれないなと思いました。
特に、独占欲の薄い若者にとって、NFTの「自分だけのもの」っていう魅力が響きにくいのは大きな課題です。
とはいえ、技術自体はデジタルアートやゲーム、仮想空間での活用次第でまだ可能性がある。個人的には、投機じゃなくて「本当に使えるNFT」という意味でワクワクしたものが見つかるといいなと思います。