「留学 文系 理系」などと検索すると、文系なのですが留学を考えていて…といった情報がたくさん出てきます。
どうも、世間的には交換留学も含めて文系のほうが留学する人が多いと思われているようです。
実際、体感だとマレーシアの大学にいる日本人の8, 9割くらいは文系(しかも大体ビジネス専攻)なんじゃないかというくらいなので、理系留学はどちらかというと主流ではないのかなという気がします。
ただ私としては理系こそ留学に行くべきなんじゃないかと考えているので、その理由について少し書いてみます。
理系は世界共通の学問である
まず、学問を便宜上文系、理系と二分したとします。
大体イメージが付くと思うのですが、文系、つまり人文系(Arts Course)の学問にはどうしても思想や歴史的背景がつきものです。そのため、仮に言語学や法学などの同じ分野を学ぼうとしても、各国の文化や人種に影響を受けます。逆に、分野としても日本の歴史や日本文学を専攻することができるのは日本の大学しかないでしょう。この点はその国独自の学問を学びにいくために留学に行くという理由にもなり得ますが、そういった人は現状少なさそうです。
これに対し数学や物理といった理系の学問は誰がやっても同じ結果になることが特徴の一つです。数式での議論がメインであり、1+1が2になるという事実は世界どこでも共通なのです。
そのため世界中での研究結果の共有というのは文系よりも盛んに行われており、日本よりも特定の理系分野で業績を挙げている海外大学は少なくありません。場合によっては、日本では学べない最先端の理系の学問を学びに行くことも可能です。
また、数式メインなので根本を理解さえしていれば、文系の学問よりも学びやすい(理解や解答に言語の影響を受けづらい)とも言えます。
実際に周りを見ていても、会計学や経済を勉強している文系のほうが新しい用語や概念を英語で学ぶことに苦労しているように見えます。現在私は数学や物理を大学で勉強しているのですが、あまり学習上のハードルは感じていません。文系よりも楽によい成績を取れるのではないかと思います。
グローバル理系人材は希少
大学院留学を例に挙げてみます。
文系理系の修士課程と言っても、いくらでも学べる学問はあるでしょう。にもかかわらず、インターネット上では「MBA(経営学修士)」というワードしか目に入ってきません。
このように、もしも本当に留学に行く人が文系に偏っているという事実があるとすれば、逆に理系にとっては周りとキャリアで差別化を図るきっかけにもなります。
海外大学に学びにいくということは、日本でいえば「グローバルな人材である」という属性が付与されることを意味します。グローバル人材が求められている現在、その中でもさらに希少な理系というステータスを持っていることは大きな強みになるでしょう。
また海外就職を考えた際にも、ものすごいプログラミングの能力などの専門技術があれば拾ってくれる会社もあると思います。言語面の能力不足があったとしても文系よりはそういった側面を補いやすく、理系就職を目指せるという点も魅力的だと思います。
理系留学のデメリット
まずは文系よりも学費が高額であるという点が挙げられます。
実際に私の在籍しているモナッシュ大学マレーシア校では、ビジネス学部はコンピュータサイエンス学部よりも年間10万円ほど学費が高くなります。こういった傾向は他の大学でも見られますし、マレーシアの大学よりも学費が高くなればなるほどその差は顕著になると思います。
また、理系留学のカリキュラムはまだまだ少ないという点も挙げられます。
交換留学はまだしも、専門性の高い理系の学問を学ぶことのできるプログラムもどんどん増えて行って欲しいなと思います。
もちろんデメリットもありますが、これらの学問上のメリットだけでなく、就職といった将来のことを考えてみても理系留学には大きな強みがあると思っています。
文系留学と同様、語学力や異文化理解力も付くのは言うまでもありません。
理系の友達があんまりいなくて寂しいので、マレーシアにももっと理系で留学する人が増えてくれればいいなと思っています。特にCSの人、待ってます!