【TOEFL vs IELTS】どのテストを受ければいい?海外進学に必要な英語試験を解説

  • URLをコピーしました!

海外大学への進学を目指す上で必要となってくるのが英語試験です。

英語試験には様々な種類があり、どの試験を選べばいいのか、どのように準備を進めればいいのか、迷っている人も多いのではないでしょうか。

この記事では、TOEFLとIELTSを中心に、英語試験の種類や特徴、選び方のポイントを詳しく解説します。さらに、試験を変えてスコアアップした私の体験談も紹介。自分に最適な試験を見極めるガイドとして、ぜひ参考にしてください!

今回は、イギリスのサセックス大学のInternational Year One(ファウンデーションコース)に進学予定のぴょんさんに記事を書いていただきました。

スポンサーリンク
目次

英語試験の種類には何がある?

海外大学への出願では、語学力の証明として語学試験のスコアを提出するのが一般的です。では、どんな試験が海外大進学で利用できるのでしょうか。

本記事は、英語圏の大学や英語学位プログラムで学ぶための英語試験を紹介しています。その他の外国語で留学する場合、当該言語の語学力証明が必要になります。

TOEFLの概要

海外進学でメジャーな英語試験の1つがTOEFL(Test of English as a Foreign Language)です。

こちらはアメリカの教育団体ETSによって開発され、以降60年間、国際的な英語能力試験として実施されています。世界160か国以上、13000以上の教育機関等が英語力証明としてTOEFLのスコアを利用しています。

中でも留学に必要になるのは、TOEFL iBTという形式です。コンピューターベースの試験となり、リスニング、リーディング、ライティング、スピーキングの4技能を測ります。

IELTSの概要

TOEFLと並んで世界で広く認められている英語試験がIELTS(International English Language Testing System)です。IDP:IELTS Australia、Cambridge Assessment English、British Councilが共同開発しており、世界各地で受験されています。12500を超す機関に認められ、留学や就労、移住のための英語力測定に用いられています。

IELTSは大きく、AcademicモジュールとGeneral Trainingモジュールという2種類に分かれています。海外進学ではAcademicモジュールが主に求められます。TOEFL同様、4技能別にスコアが示されます。

その他の試験や語学試験免除となるケース

TOEFL、IELTS以外の試験としては、ケンブリッジ英語検定(Cambridge English Qualifications)を認めている大学も少なくありません。日本でも9エリアで受験可能で、知名度が上がってきています。

Duolingo English Test(通称DET)は、人気の語学学習アプリDuolingoによって2016年に開発された新しい英語試験です。完全オンライン型の試験として24時間いつでも受験可能。コロナ禍以降、入試にDETを導入する大学が拡大しています。

日本国内で英語試験といえば、英検やTOEICが有名だと思います。しかし、英検やTOEICのスコアを認めている海外大学は少ないので注意が必要です。

また、以下の場合、英語試験が免除されることがあります。

  • 国際的な教育プログラムを受けていたケース
    国際バカロレア(IB)やA-Levelなど、 世界的に認められている教育カリキュラムを履修していると、英語能力が十分であるとみなされることがあります。英語試験の代わりに、英語科目の点数を求められることが多いです(例:IB English A or English B at grade 5 or above)。
  • 大学が独自に英語力を評価するケース
    外部英語試験を利用せず、独自の英語試験やインタビューにより受験者の英語力を測るケースです。たとえば、ミネルバ大学では独自のオンライン課題を通じて英語での思考力やコミュニケーション能力を評価しています。

TOEFL・IELTSの特徴

TOEFLの特徴

TOEFL iBTの特徴は以下の通りです。

  • 形式:コンピューターベースのテスト
  • 試験時間: 約2時間
  • 日程、会場:全国60ヵ所で実施。月3~6回開催
  • スコア:各セクション0~30点の120点満点
  • セクション:
    • Reading: 3つの学術的な文章の読解(約35分)
    • Listening: 講義(3つ)や会話(2つ)を聞き、質問に回答(約35分)
    • Speaking: 4つのタスク。自らの意見を述べる独立型と、読んだり聞いたりした内容を要約する統合型がある(約16分)
    • Writing: 文章を読み講義を聞いた後にポイントをまとめる統合型他者の意見を踏まえながら自分の意見を示す学術討論型の2つのタスク(約30分)
  • その他の特徴: アメリカ英語に特化している。どのセクションでも学術的なテーマで大学環境を想定。スピーキングはコンピューターのマイクに録音方式

*TOEFLテスト日本事務局によると、2026年1月からTOEFL iBTの形式に変更があるようです。詳しくは、ETS、TOEFLテスト日本事務局のホームページを確認してください。

IELTSの特徴

IELTS Academicの特徴は以下の通りです。

  • 形式:紙ベースとコンピューターベースの2つから選択可能
  • 試験時間: 約2時間45分
  • 日程、会場:コンピューター版は全国4ヵ所でほぼ毎日実施。ペーパー版は16都市で月に2回ほど開催
  • スコア:各セクション0〜9のバンドスコアが示される。全体は4セクションの平均スコア(0.5刻み)
  • セクション:
    • Reading: 3つの長文読解(約60分)
    • Listening: 4つの会話やモノローグを聞き、質問に回答(約40分)
    • Speaking: 対面式のインタビュー。自己紹介やトピックに関するスピーチ、ディスカッション(約15分)
    • Writing: Task1の表やグラフフローチャートの説明とTask2のエッセイ(約60分)
  • その他の特徴: イギリス英語を中心に、アメリカやオーストラリアなど多様なアクセントが使用される全体的に日常的なテーマが多い(特にリスニング)

それぞれの特徴の違いまとめ

TOEFL iBTIELTS Academic
形式コンピューターベース紙タイプとコンピュータータイプで選択可能
時間約2時間約2時間45分
スコア120点満点0~9のバンドスコア
英語アメリカ英語様々なアクセントが使用される
問題傾向学術的なテーマ統合型の問題も出題される学問的内容だけでなく、日常的なトピックも多い
スピーキングコンピューターに録音方式面接官と対面でインタビュー

試験の選び方

次に、自分に最適な試験を選ぶための3つのポイントを紹介します。

志望校がどのテストを認めているのかチェック

大学ごとに語学要件は異なるため、一校ずつ調べる必要があります。

ほとんどの場合、大学のウェブサイト上に必要となる英語試験の情報が記載されています。“language requirement”(語学要件)や”admission/application”(入試/出願)のページを探してみてください。

下の写真は、オックスフォード大学の語学要件ページです。IELTSであれば7.5、TOEFLなら110と、認めているテストの種類と最低スコアが分かります

ホームページ上で情報が見つからなかったり、疑問点が出てきたりしたら、大学にメールで問い合わせると良いでしょう。

一度問題を解いてみる

学校ごとの語学要件が分かったら、次はそのテストと同形式の問題を解いてみましょう。実際に回答することで、自身にとって解きやすいもの、スコアが出やすいものを見つけることができます。

問題を解くといっても、受験料を払って本試験を受ける必要はありません。今の時代、各試験のサンプル問題がインターネット上でアクセス可能です。テスト運営元が公式例題を公開していることも多いです。これらを家で試してみるだけでも各テストの特徴を掴むことができます。参考書に収録されている過去問や模擬試験も代わりになるでしょう。

参考書の例:

コンピュータータイプか紙タイプか、アメリカ英語かイギリス英語かなど、自分の好みを知ることができます。また、採点結果から現在の英語力の把握も可能です。

受験にかかるコストの検討

試験にかかるコストも重要なポイントです。

必ずかかるのが受験料です。現在、TOEFLは195米ドル(約28000円)、IELTSは25380円(英検協会運営の場合)と、高額に設定されています。これに加えて、試験対策にかかる費用(参考書代、通塾料など)があります。試験を申し込む前に合計費用を計算してみると良いです。

試験会場や開催日程の利便性にも考慮が必要です。自宅から会場までの移動時間や、その会場でのテスト実施頻度を調べてみましょう。スコアアップのため複数回受験する可能性も視野に入れて、会場や日時を検討してみてください。

テストを変えるだけでスコアアップできるかも

最後に、もともと受験していたTOEFLからIELTSに試験を変えた私の体験談をお伝えします。受験途中でのテスト変更が良い結果をもたらすかもしれません。

高3でTOEFL→IELTSに変えてみた

当初アメリカの大学志望だった私は、「アメリカならTOEFL、イギリスならIELTS」という話から安易に試験をTOEFLに定めました。高校2年生の春から対策を始めるも手応えはなく、秋と冬に受けたTOEFL本試験は両方60点代と目標スコアに全く届きませんでした。

ここで、上手くいかないTOEFLに代えてIELTSの模擬試験を受けてみると6.0〜6.5相当の結果で驚きました。
ちょうど志望校もイギリスの大学に変わり、語学要件がIELTSだったのもあって、高3のはじめにIELTSへの変更を決意しました。7月に受験したところ、結果は6.5と目標スコアを一発で獲得できました。

IELTSへの変更でスコアが上がった理由

IELTS 6.5はTOEFL 79-93点相当とされ、TOEFL 60点代に比べて大きなスコアアップといえるでしょう。IELTSへの変更がうまくいった理由は2つあると考えています。

1つ目は問題形式の違いです。TOEFLで特徴的な統合型問題が私は苦手でした。文章や音声の要約に手間取ってしまい、ポイントが分からないままスピーキングやライティングする時もありました。

IELTS の問題は、自分のアイデアを使って回答ができます。スピーキングはインタビュー形式なので、趣味や学校生活など身近な話題を喋ることができました。
ライティングのエッセイでは、自身の意見とその理由を示します。自分のことを表現できるIELTSの方が私には向いていました。

もう1つはスコアの計算方法です。TOEFLはスコアが1点刻みとシビアな採点です。一方、IELTSは0〜9まで0.5刻みのバンドスコア方式。少しのミスは評価に影響しない場合も多いです。
また総合スコアは4技能の平均なので、1つ飛び抜けたセクションがあると全体スコアも一気に上がります。私は得意なリスニングで7.5を取れたことで総合スコアも引き上げることができました。

途中で試験を変える際の注意点

私の場合、試験の変更が成功しましたが、短期間でテストを変えてもスコアは上がらないということに注意してください。テストの結果が予想を下回ったとき、その理由は試験との相性だけに限りません。
本試験で緊張していた、問題傾向を把握しきれていなかった、当日の問題が知らないテーマだった、など様々な要因が考えられます。特に、中学や高校1年など早い時期では、英語の基礎力が完成していないことも多いでしょう。

まずは焦らずに対策をして、複数回受験してみてください。それでもスコアが伸び悩んでいたら、違うテストを検討しても良いかもしれません。

テストを変えると、これまで使ってきた参考書も、前の試験対策も必要なくなります。本試験の受験料も高額だったはずです。前のテストにかけたお金や時間が返ってこないことにも気をつけてください。

スポンサーリンク

終わりに

いかがだったでしょうか?

受験生ひとりひとりの状況によって、海外進学に必要となる英語試験の選択肢は変わってきます。

この記事で紹介したTOEFL・IELTSの特徴、試験選択のポイントを参考に、自分に最適なテストを見つけましょう。スコアが伸び悩んだら、他のテストも検討してみてください。

留学を目指す皆さんの英語試験がうまくいくことを願っています!

スポンサーリンク

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

よかったらSNSでシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
目次