以前、UCSI大学でEnglish Language and Communicationを専攻する直江綾乃さんに、2か月×3回のインターン制度についてお話を伺いました。
今回はその続編として、直江さんの大学院進学についてお話を伺いました。
マレーシアの留学生は、卒業後に日本や母国に戻って就職するケースが多いのですが、直江さんはそのままマレーシアの大学院(University Malaya)に進学することになった、珍しいケースです。
こちらの記事は現役UCSI生の直江綾乃さんにインタビューさせていただきました。直江さんのLinkedInはこちら。

自己紹介
自己紹介をお願いします
直江綾乃です。UCSI大学の学部3年生で、卒業は確定しています。専攻はBachelor of (Honors) Arts in English Language and Communicationです。
UCSI大学を選んだ理由は、英語学科があって、似たような大学の中でも一番言語学に強かったからです。現在の専攻では、言語学を中心に、英語での教育や日常でのコミュニケーション、メディアとの関係性などを学んでいます。
キャリアの最初のプラン
院進希望だったとのことですが、院進を意識し始めたのはいつ頃ですか?
小学6年生の頃からです。祖父が研究者だったことに憧れていて、そこから逆算して大学院を意識するようになりました。
Ray小学生で院進について考えるの、めっちゃ早い笑
進路として、もともとはどんなプランを考えていましたか?
当初は日本の大学に4年間通うことを考えていたのですが、それだったら海外に行くのもどうかと考えるようになりました。そこで調べると、「マレーシアなら格安で正規留学できるのではないか」ということが分かり、マレーシア留学を決意しました。
そして、もともとはマレーシアの大学を卒業して、日本の大学院に行くつもりでした。研究者になりたいという気持ちがあって、その中でも言語の科学に興味がありました。
つまり文系への転向(文転)をしたかったので、そのためにマレーシアに来たんです。日本で文転をするのは大変なので。
海外進学自体に強くこだわっていたわけではなくて、マレーシアという国自体に強いこだわりがあったわけでもありませんでした。学部3年生のSem3(最終学期)で、この方針を変えることになります。
志望していた大学院・分野・研究室はどこでしたか?
日本なら筑波大学院、金沢大学院を考えていました。この2つは人文系の中に、障がいのある人の言語を研究する研究室があったんです。
障がいのある人の言語に興味を持ったのは、家族に障がいがある人がいて、コミュニケーションに癖があったことがきっかけでした。
実際に選んだ大学院と、そのための準備は?
University Malayaの大学院、Master of Arts (Linguistics)です。研究室はまだ決まっていません。修士論文は書きますが、前半が講義、後半が研究というmixed mode(混合型)のプログラムなので、研究室は後で決めることになっています。
日本の大学院進学に向けては、教授にメールを送っただけでした。親身に対応してもらえましたが、進路や研究に対する厳しめのアドバイスもされて、そこで日本へのこだわりがなくなりました。
マレーシアの大学院を選んだ理由
いつ頃、どんなきっかけで進路を見直しましたか?
先ほどの教授からのアドバイスをもらったタイミングです。英語に対する自信もついてきていたので、別に日本でなくてもいいかもと思うようになりました。視野を広げて考え直した結果、マレーシアも意外といいかもと思うようになったんです。
日本の大学院への未練はなかったです。教授からのアドバイスで吹っ切れました笑。家族の反応は「行ってらっしゃい」の一言でした。
その時、なぜ日本ではなくマレーシアの大学院を選んだのですか?
マレーシアが多言語環境だったことが大きいです。
マレーシアからの出願はスムーズだったのもあります。マレーシアという国自体に慣れていましたし、マレーシアの大学を卒業しているという実績もあったからです。
その大学院・専攻を選んだ決め手は何ですか?
マラヤ大学を選んだ理由は、言語学(学部の専攻)のトップクラスの研究環境があったことです。


大学院の入試方法
出願にはどのような書類が必要でしたか?
- 高校の卒業証明書と成績証明書
- 大学の卒業見込み証明書(completion letter)
- 大学の成績証明書(final transcript)
- 英語力証明(IELTSなど)
- パスポートサイズの写真
が必要でした。
英語力証明については、マレーシアで学位を取っているので免除されました。書類を出すだけで、合格者に関してはその後、マレー語の一般教養試験を受けるように言われましたが、私は学部時代にMPU(マレーシアの一般教養科目)でマレー語を履修していたので、これも免除されました。
参考までに、英語力証明には普通IELTS6.0が必要とされています。
出願のタイミングと期間はどれくらいでしたか?
出願は、学部の卒業が確定するタイミング(最終学期の終わり)で行いました。出願から合格発表までは1週間ちょっとでした(普通は1〜2か月かかるそうです)。準備で一番大変だったことは、特にありませんでした。
選考で何が重視されているのでしょうか?
正直、分からないです。条件としてはCGPAが3.00以上というのはありますが、それ以外は分かりません。大学院自体、なんとなく選考のハードルはゆるそうな印象です。



私はGPA4.0だったけどマラヤ大学の学部は不合格にだった(多分ローリング)ので、大学院とは様子が違うのかも?
情報収集はどのように行いましたか?
インターン中に、インターナショナルスクールでUCSIの代表として参加した教育フェアで、マラヤ大学のスタッフと直接話す機会がありました。
その後はマラヤ大学のホームページを見たり、AIも使ったりして情報をリサーチしました。あとはTikTokでたまたま見つけた日本人ムスリムの方が、マラヤ大学の同じ専攻の出身だったことがあって、声をかけてもらったりもしました。


大学院での費用・生活面
学費・生活費・奨学金はどれくらいですか?
学費は1年間でRM40,000ほどです。生活費はRM2,500くらいを見込んでいます。
奨学金は使う予定ですが、まだめどは立っていません。返済不要の民間の奨学金があれば、応募してみたいと思っています。
学部からそのまま大学院に上がる場合、ビザなどの手続きはどう変わりますか?
UCSI学部生としてのビザを一度キャンセルして、日本に帰国してから、あらためて新しいビザを申請する形になります。
中には、スペシャルパスを申請して、ビザ変更の手続き期間中も日本に帰らずマレーシアに残る人もいるようです。
今後の展望
今後の研究テーマと、卒業後の進路は?
障がいのある人のコミュニケーション方法について研究する予定です。
大学院の修士が終わったら、そのまま博士課程に進むつもりです。博士課程が終わったら、UCSIに教員として戻りたいと思っています。マレーシアの国立大学で日本語補助の教員をすることにも興味があります。
後輩へのアドバイス
進路は何度でも変えることができます。ただ、お金のことなどは早めに家族と相談しておいた方がいいと思います。
家族のおかげで進学できているので、将来恩返しすることも考えておくといいと思います。そこへの感謝を忘れなければ、家族もサポートしてくれるかもしれません。
今振り返っても、マレーシアを選んで良かったと思っています。日本の大学院で、学部から上がってきた人たちの輪など、全く新しい人間関係や環境に入るのは、マレーシア生活に慣れている自分にとってはハードルが高かったと思うからです。
まとめ
ということで、今回はUCSI大学の直江綾乃さんに、日本の大学院を目指していたところからマレーシアのマラヤ大学院に進学するまでの道のりについてお話を聞かせてもらいました。
マレーシアの留学生としては珍しく、そのままマレーシアで大学院に進学するケースなので、同じように進路に悩んでいる方の参考になれば幸いです。
以下がまとめになります。
- もともとは日本の大学院(筑波・金沢)を志望していたが、教授への相談をきっかけに方向転換
- 決め手は多言語環境と、マレーシアからの出願のしやすさ
- 進学先はUniversity Malaya大学院のMaster of Arts (Linguistics)
- 出願書類は卒業証明書・成績証明書・英語力証明など、英語力証明は学位免除
- 出願から合格発表まで1週間ちょっと(通常は1〜2か月)
- 学費は2年間でRM40,000、生活費はRM2,500ほど
- 卒業後はPhDに進学し、将来的にはUCSIの教員を目指す
- アドバイスは「進路は何度でも変えられる、お金は早めに家族と相談」
こちらの記事は現役UCSI生の直江綾乃さんにインタビューさせていただきました。直江さんのLinkedInはこちら。




