なぜ理系には女性が少ないのか。自分なりの考察とヒントを書いてみる

  • URLをコピーしました!

たびたび理系に女性が少ないことが問題になる。こういう社会問題について考察するのが好きなので、暇なときに色々考えたりする。

まだ結論は出ていない、というか複数の要因が複雑に組み合わさって引き起こされているので明確な正解はないとは思うのだが、「なぜ理系に女性が少ないのか」という問題を考えるにあたって、それっぽいヒントが見つかったのでそれについて書こうと思う。

正直に言うと、私はひとくくりに文系・理系などとまとめて議論するのがあまり好きではないのだが、便宜上ここでは理系とは医学や工学、理学などのことを指す。文系とも理系とも言えないが、看護学部などについては一旦除外して考える。また、主に大学進学の話について議論することとする。

スポンサーリンク
目次

前提となる私なりの考え

この問題についての私なりの結論

この問題について、今のところの自分なりの結論を述べると、こんな感じである。

「自然と理系に興味を持つ機会が少なくなるような教育が目に見えない形で行われ、女性が深層心理的に理系に行こうと思わないような社会になっているから」

本質的な理由は基本的にこれに集約されると私は考えている。

周りの雰囲気について

他には以下のような理由も考えられなくはないが、若干疑問である。

  • 女性が少ないから気まずくて進学しづらい
  • 親や周囲に「女の子なのに理系なんて!」と反対されて進学できない

というのも、本当に行きたいという強い気持ちがあるのであれば、周りに女子が少ないといったことはあまり気にしないはずだし、現実的に自分の子供が「理系に行きたい」と言っているのに「ダメだ、許さん」などと言う親が大多数を占めるとは思えないからだ。

逆に自分がそういう立場・環境にいたとしても、理系に進学したい意思があるならすると思うし、実際そういう友達も多い。女性は男性よりも周りに行動を合わせる傾向が強いとは一応言われているが、だとしても流石にこれがそこまで大きな要因だとは考えづらい。

ただ、「そもそも理系に行きたいと思わない」とまでは思っていなかったとしても、もし仮に「文系でも理系でもどっちでもいいや~」みたいなテンション感の人がいたとしたら、確かに雰囲気的に文系に流される可能性は考えられる。

しかし、それについては根本的には「(男女問わず)高校生の段階で自分の夢・やりたいことがない学生が生まれてしまう教育」が行われていることが問題なのであって、理系に女性が理系に行きやすい雰囲気づくりなどはあくまで対処療法に過ぎない。

それについては、しっかり高校生に「理系・文系のどっちに行きたいのか」の意思決定が明確にさせてあげられるような教育が行われれば解決できる問題である(詰め込み教育すぎて将来を考える時間がないとかが要因だと思う)。
自分が理系に進学したいという意思が明確なのであれば周りのことは気にせず進学するだろうと思うので、どうやって理系に対する興味を明確に持たせるかが本質なのだ。この件については今回の趣旨からは外れるため、これ以上は議論しない。

将来のキャリア設計について

また、こんな意見もあるだろう。

  • 女性は妊娠や出産のことも考えながらキャリア設計をしなくてはいけない
  • 理系で活躍している女性が少ないため、進路に不安がある

ただ、これらに関しても影響はよく分からない。大学に進学する18歳やそこらの人間というのは、(男女問わず)人生設計をそこまで考えられるほど精神的に成熟していないと思うためだ。

大学に入ってからも「う~ん、別に将来何をしたいとかないけど、なんとなく大卒にはなりたいな~」みたいな感じの目的意識や自分の軸がない学生は男女問わず多く見られる。というか、そっちのほうがマジョリティだろう。
そんな人たちが、いついつまでに子供が欲しいとか、将来のキャリアがどうとか、そこまでの解像度のことを考えて大学進学をするだろうか?と言われると、私にはそうは思えない。

そして逆に、やりたいことが決まっている人ならそんなことを気にするとは考えづらい。例えば美術系の大学に進学した女友達もいるが、彼女らは自分の軸でやりたいことがあって美大に行ったわけで、進学する際には将来食いっぱぐれるリスクがある(一般に美大卒は稼ぎが厳しいと言われる)とかは微塵も気にしていない。

ここに関しては賛否両論あるだろうが、これはあくまで完全に主観な私の一意見なのでそこはご容赦願いたい。

となると、問題は「興味があるのに理系に進学できない」というよりは、「そもそも理系に行きたいと思わない」ことであると言える。

東大の女性比率が低いこと

話は変わるが、度々東大の女性比率が低いことが問題になる。しかし、どこかでデータを見た記憶があるのだが、「東大受験者の男女比率」と「東大入学者の男女比率」は大して変わらなかったはずだ。

つまり、これについても女性の能力だったりの問題というよりは「そもそも東大に興味をもって受験する母数が少ない」ということが問題なのである。

男女の脳の違いによる影響もよく言われるが、私は脳科学方面の論文を読んだことがなく、議論に値する知識量がないので、ここでは一旦触れないでおくことにする。

興味が持てさえすれば、女性だって東大を受験はすると思う。

子の希望に反して「女子なんだから東大なんて行かなくて良い」などと言って受験を止める親が今の時代にそこまでいるとは考えづらいので、受験に踏み切れないファクターはそこまで存在しない気がする。
また、先述の意見とも被るが、もしそこで周りの雰囲気に流されて東大受験を諦めるようであれば、それは熱意や興味が足りていなかったということなので別の問題である。

「女性が東大を受験しづらいとか、そういう雰囲気があること自体が問題なんだ!」という意見もあると思うが、これも先ほどの例と同じで、それを解決したところで対処療法に過ぎないと考えている。
問題は「周りに左右されないくらいの明確な東大に対する熱意や興味を持つ女性」が増えれば自然と解決する問題なので、どうやってそういう人材を増やしていくか、ということこそが根本的な解決策だ。

そこで、なぜ「そもそも理系に行きたいと思わない」のかについて考えるヒントが見つかったというのが今回の本題である。

スポンサーリンク

男性が逆に看護学部に進学しない理由を考えよう

興味がないものは、やらない

そのヒントになるのが、「女性が理系に少ない」の逆の事例を考えてみる、ということである。

男性が少ないものと言えば、

  • 大学でいう看護学部、芸術系の学部
  • 部活でいう吹奏楽部やダンス部

こんなものが挙げられると思う。統計を取ったわけでもないが、大体全国どこでもこういう組織は女性比率が高いと思う。

では、なぜこれらに男性が少ないのだろうか。

自身の経験や周りを見ていて思ったのは、「そもそもやろうという気にならなかった」という人がほとんどである点だ。別に吹奏楽部に入ったりダンスをしたりすることが女々しいとか恥ずかしいとか、そんなことは全然思っていない。やりたかったら、全然やる。

だが、そもそも興味がないのだ。「だって、ダンスとかよりもテニスとかサッカーのほうが興味あるもん」という考えの男性のほうが多いのではないかと思う。

なぜ興味が湧かないのか

では、なぜこれに興味が湧かないのか。これは自分でもわからない。

看護学部で言えば、私の場合は「だったらコンピュータサイエンスのほうが興味ある」といった具合でやりたいものが決まっていたからというのもあるが、仮にやりたいことがなかったとしても看護学部にはあまり興味がないほうだと思う。

だが、直接的に親や先生に「看護は女の仕事ですよ」などと言われた記憶はないし、別に看護をしている男性を見たところで「気まずくて大変そうだな~」などと思ったこともない。看護をしたら後のキャリアや給料がどうなるとかも考えたことはない。

きっと周りの男性もそう思っていると思う。別に何か言われたとか、何か嫌だとかいう気持ちがあるわけではないけれど、そもそも興味がない。もしかしたら、自然と深層心理的に興味が湧かないように何かを社会から刷り込まれているのかもしれない。

教育は連鎖する

恐らくこういった感じで、無意識に興味が湧かないような教育・社会構造になっているというのが原因なのではないかと思っている。

ただこの問題の根深いところは、別に誰も悪意を持って何かを幼少期から刷り込んでやろうと思ってはいないということと、その教育を受けた側も刷り込まれたことに気づいていない所だと思う。
だからこそ、無意識のうちにその構図が子の代にも受け継がれていくのだ。そしてそれが連鎖していくと、意識的に何かを改善しない限り、状況を打破することはできなくなる。

なぜそんな構図が社会に存在しているのか、正直今の自分では理由はわからない。もちろん思考を止めてはいけないのだが、今の私は「分からない」という事実だけを分からないまま、そのまま受け止めている段階だ。

だが、看護学部の例だったり部活選びにおける吹奏楽部やダンス部の例を考えてみて、これがなぜなのか(男女逆のパターンがどういった理由で存在するのか)分かったとしたら、それが理系に女性が少ないという事象に対しての理由を考える大きなヒントになり得ると思う。

スポンサーリンク

終わりに

というわけで、今回はなぜ理系に女性が少ないのかについて、この問題を考察するヒントを書いてみた。

社会の見た目を気にして短期的な対策を打つだけではなく、本質的に「理系に興味を持つ女性を増やす」ことこそが、この問題の解決につながるのではないだろうか。

結論がすぐに出る問題でもないとは思うが、とりあえず全員がそういった問題に対する思考を止めないことは大切だと思う。

スポンサーリンク

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

よかったらSNSでシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
目次