言語学オリンピックマレーシア大会に出た!日本大会との違いも【課外活動】

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先日、日本言語学オリンピック(JOL)の結果発表があったのですが、第1問, 第2問敢闘賞でした。
手ごたえとしては銅賞以上はあるだろうなと思っていただけに、ショックすぎて不貞腐れていました。負けず嫌いな性格もあってこのままでは終われない!と思い、どうしようか考えた結果、

マレーシアにも言語学オリンピックの大会、あるんじゃね?

と思い、調べてみるとLANGUAGE EXPLORER COMPETITIONという大会がありました。

参加締め切りの一週間前にたまたまこのことを知ったのですが、思い立ったが吉日、参加することを決めました。

今回はそんな言語学オリンピックマレーシア大会の参加体験記を記事にしてみました。日本大会との違いなどもご紹介できればなと思います。結果やいかに!?

日本言語学オリンピックの参加体験記はこちら!

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目次

大会の仕組み

概要

基本的な大会の内容は日本言語学オリンピック(JOL)と変わりません。
初見の言語を問題文から与えられたヒントをもとに解読する能力を競うコンテストです。

言語学オリンピックそのものについて知りたい方はこちらの記事を見てみてください!

こちらも最上位大会である国際言語学オリンピック(IOL)のための代表を選抜する大会となっていますが、日本大会とは少し仕組みが異なり、マレーシア大会は以下のような制度となっています。
ちなみに、日本大会では国内大会の上位者がそのまま直接アジア太平洋言語学オリンピック(APLO)に招待され、その上位8名がIOLに派遣されます。

  1. LANGUAGE EXPLORER COMPETITION(私が今回参加した大会)の上位者がMalaysian Computational Linguistics Olympiad(MyCLO)と呼ばれる大会に出場
  2. MyCLOの上位者はNational Training Campsと呼ばれる練習会でトレーニングを積み、APLOに派遣
  3. APLOの上位者4人がIOLに招待

大会の形式と賞

  • 試験時間は1時間30分。
  • JOLと同じくオンラインで実施
  • 5つの大問が出題され、それぞれ20点の配点
  • 問題は英語とマレー語で出題

問題が複数の言語で出題されるというのは他民族国家ならではですね。
賞については

  • 上位10%が金賞、銀賞、銅賞
  • 上位10%~50%が佳作
  • 残りの50%は参加証明書

がそれぞれ与えられます。日本だと上位1/3で銀賞が貰えるので、少し受賞ボーダは高めです。

Ray

私は英語で問題を解きましたが、同じページの英語のすぐ下にマレー語が書かれていました。

参加手順

参加登録の方法

まずは言語学オリンピックマレーシア大会のサイトにアクセスして、Register Nowというボタンをクリックします。

するとContestHubというサイトに登録するように指示があるので、手順に従ってユーザー登録をし、ダッシュボードのList of CompetitionというところからLANGUAGE EXPLORER COMPETITIONを選択します。
個人でも学校ごとでも申し込みができ、個人だと60RM、学校経由で申し込みをすると40RMの参加料(クレカなどで支払える)がかかります。

Ray

私は申し込みがギリギリだったということもあり、学校に参加の意思を伝えている時間が無さそうだったので個人で申し込みをしました。

参加部門・資格

言オリのマレーシア大会ではPrimary Students部門Primary Students部門があります。
JOLと違って大学の学部生や社会人が参加できるオープン枠はありません。

Primary Students部門

現地の学校だとYear 4, 5, & 6、インターナショナルスクールだとYear 4, 5, & 6に相当する人が参加できる。Primary Students部門よりも問題は簡単。

Secondary Students部門

現地の学校だとForm 1, 2, 3, 4, & 5、インターナショナルスクールだとYear 7, 8, 9, 10, & 11に相当する人が参加できる。Pre-Universityコースに通う学生も参加可能。こちらの部門の上位者がAPLO代表に選抜される。

私はモナッシュ大学のファウンデーションコースに通っていて、これはPre-Universityコースとして扱われるのでSecondary Stundets部門に参加することにしました。

ちなみに、複数の国代表になるチャンスがあると不公平になるため、IOLのほうでは2ヵ国以上の言オリの予選に出てはいけないという決まりがあります。
ただし、こちらはJOLとの二重参加にはなりますが、JOLはオープン枠で参加しているので規約上は問題ありません。JOL運営の方ともコンタクト済みです。

申し込みのスケジュールはこんな感じでした。

イベント日付
登録開始(学校)11月13日
登録開始(個人)1月1日
登録締め切り1月29日
コンテスト当日2月3日
結果発表2月14日
参照:https://myclo.my/
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対策した方法

こちらもJOLと同じく、いくつかの過去問が公式サイトで公開されています。また、こちらのネットショップでも公式の過去問を入手できるようです。

といいつつ、本はお金がかかるし公式サイトのほうではIOLのサンプル問題がいくつかピックアップされているだけです。ですが、私が解きたいのはLANGUAGE EXPLORER COMPETITIONの過去問です。そうじゃないと本番のレベル感が分かりませんからね。

と思っていると、ネットでテキトーなワードを入れて探したら2023年度と2022年度の過去問とその答え(公式っぽい)はダウンロードできました。なんて調べたら出てきたのかは忘れた(無能)。
しかし、やっとこさ手に入れたと思った本大会の過去問は、回答こそあるものの解法が記載されておらず、答えを見てもあまり意味がありませんでした

Ray

JOLの過去問は公式のほうで解法が日本語で解説されているので、そちらを使って勉強するのがおすすめです。
ただ、問題文は英語で書かれているのでそれに慣れるために過去問だけチラっと見ておくといいかも。

ということで、メンドクサイので勉強する気が失せましたJOLの結果を挽回するぞという熱意はどこへやら。
問題をチラっと見た感じJOLの過去問とそう変わらないし、なんとかなるっしょと思いノー勉で突撃しました(バカ)。

本番の様子・感想

大会当日は午前10時~午後5時までの間の好きなときに好きな場所(ネット環境があれば)で試験を受けられます
といいつつ、試験時間は1時間30分なので、午後3時30分までに開始しないとその分試験時間が短くなります

先ほどのContest HubのContest Slipというところに移動すると大会の指示が書かれたPDFファイルがダウンロードできます。

Ray

どうやって試験を開始するのかを運営に問い合わせましたが、いくら連絡しても返事はありませんでした。
マレーシアはテキトーなところがあるのでそういうこともあります笑

試験はAutoProctorというプラットフォーム上で行われました。問題と回答の記入スペースがセットになっており、ここに答えをポチポチ入力していくスタイルです。回答は時間になると自動提出されます。
AIがカメラやマイクを使って不審な動きがないか監視するシステムだそうで、試験中に独り言をブツブツ言っていたら不正検出!みたいな警告が出たのでちょっと焦りました。

あと、指示書にはペンと紙のみ使用可能と書かれていたので、不正を疑われないためにもiPadなどでのメモ取りはしないほうがいいんじゃないかと思います。そもそもJOLと違って問題がダウンロードできないので、私は紙にいろいろメモするスタイルをとりました。

問題はというと、問1~3までは完答の自信あり、問4, 5が怪しかったです。最後は時間オーバーしてしまい、問5の分かりそうなところもいくつか空欄のままの提出になってしまいました。JOLの時と全く同じくらいの手応えでした。

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結果発表ー!

JOLは2ヵ月後の結果発表でしたが、こちらは2週間も経たないうちに結果が出ます。早いですね。

結果は…

🥉Bronze Award(上位10%)!!!

やったね!!!JOLの雪辱を晴らせました。賞状は3月に学校に郵送されてくるとのことで、楽しみです。

ちなみに私と同じ大学からは他にも参加者がいて、銀賞受賞者もいました。後で聞くと、その人は去年のIOLマレーシア代表だったそうです。恐るべし。

ちなみに、参加者のデータは以下の通りでした。JOLよりもちょっと少なめですね。
今年は上位大会のMyCLOには80名程度が招待されるようで、私のほうにも招待メールが来ました。

人数
金賞7人
銀賞17人
銅賞21人
佳作187人
参加賞216人
合計448人
MyCLO公式サイトより

JOLとの違い

JOLとの主要な違い

  • 試験時間が1時間30分(JOLは2時間)
  • JOLでいうオープン枠は存在せず、Primary Students部門とSecondary Students部門から選んで参加する
  • カメラやマイクによる監視が付いているのでJOLよりも不正に厳しい
  • 2024年度の参加人数はJOLの半分ほど
  • 問題の難易度はJOLよりもちょっと簡単(?)くらい
  • 問題文が英語とマレー語で出題される
  • 銅賞が上位10%~なので若干ボーダーが高め(JOLは上位1/3)
  • APLOに出るためには、LANGUAGE EXPLORER COMPETITIONでまず上位を取り、その後のMyCLOでも上位を取る必要がある
  • APLOの上位者4名のみがILOに招待(JOLは上位8人)

問題難易度について

問題の難易度はJOLよりも少し簡単とは言ったものの、自分と相性が良かったためそう感じただけかもしれません。

私は形態素解析や統語の問題を苦手としているのですが、マレーシア予選でのこの手の問題はJOLと比べると簡単な傾向にあるなと思いました。その代わり、私の得意な文字などのパズルチックな問題が多めに出題されるので助かりました。

受賞難易度について

また、銅賞以上の受賞難易度についてはそこまでJOLと変わらないと思います。

確かに受賞ボーダーはJOLよりも厳しめですが、以下の点を考慮するとトントンという考えです。

  • 問題が意外と簡単である
  • 日本人と比べるとマレーシア人は数学に弱い傾向にある(日本の数学教育が進みすぎているため。パズル的な問題も多く、数学・論理的思考力のようなスキルが高いほうが言オリは有利)

ただ、マレーシア人は3~5か国語を普通に話せることもザラなので、言語の違いを発見する能力なんかは日本人よりも優れている可能性もあり、受賞難易度については正直な所分かりません。

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振り返り

ということで、無事に銅賞も受賞できて大満足でした。今年で言オリに出られるのも最後なので、いい思い出が作れました。同じ大学のIOLのマレーシア代表とも仲良くなることができたので本当に参加してよかったです。

マレーシアに留学中の人で参加条件を満たしている人は、参加してみてはいかがでしょうか?

言オリに興味が出てきた人はこちらの記事もどうぞ!

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