海外大学に興味がある…、でもどうやって自分に合う大学を見つけていけばいいか分からない。そんな人も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、3年間を通しアメリカ(リベラルアーツカレッジ多め)、ヨーロッパの大学探しを経験し、実際に出願、合格した私が、受験生として重視すべき要素や項目を紹介します。
一つ一つ細かく解説したので、ぜひ最後まで読んでみてください!
この記事のライター:あお(インタビュー記事)
普通の私立高校出身です。海外経験なしで1年でTOEFLを40点代から100点に伸ばし、スペインのIE大学でData Business Analyticsを専攻予定です。高校時代は様々な分野の課外活動に手を伸ばしていました。
中学の頃からきっての映画好きで、1年で200本弱見た年もあります!
まず考えるべきこと
海外大学といっても、もはや日本以外の大学がほぼ当てはまるため、膨大な数になります。普通の高校生がリサーチに当てられる時間というのも限られてくるので、自分が重視する項目を確立することが鍵となります。
そのため、自分が譲れない条件や要素はなんなのか、また少しは妥協してもいい要素は何かを掴んでいくことが重要になってきます。
以下がこれから紹介する大まかなリストです。
大学の位置付け
- 世界ランキング
- 学部別世界ランキング
- アメリカならIvy league, Little Ivyなのか
- 一般の日本人に知名度があるか
- 日本の交換留学先にどんな大学があるか
入試制度など
- 合格率(アーリー、レギュラー別で)
- 出願資格
- 出願書類の多さ
- エッセイの数
大学の人数など
- 生徒教授比(Student-faculty ratio)
- 学生の全体の数
- 男女比
- 留学生の数
- 人種の比率
大学の立地や生活面
- 都会か田舎か
- 治安はいいのか
- 日本からのアクセス
- 周辺の国などへのアクセス
- 食事や気候
奨学金
- 大学から奨学金は出るのか
- 奨学金の種類(Need-based, Merit-based)
- 留学生にも出るのか
- 日本の財団の指定リストの有無
大学の位置付け
海外大学を調べると、主要な大学には「〇〇University 偏差値」といったおかしな検索候補(海外大学に偏差値と言う概念はない)が出てくることから伺えるように、大学の位置付けに関しては気になる人も多いと思います。
以下がある程度位置付けを測ることのできる要素です。
- 世界ランキング
- 学部別世界ランキング
- 大学グループ群(アメリカならIvy league, Little Ivy, Public Ivyなど)
- 一般の日本人に知名度があるか
- 日本の交換留学先にどんな大学があるか
主要な世界ランキングだとQS Ranking, THEランキング, アメリカならUS Newsなどがありますが、おすすめは学部別や要素別のランキングを見ることです。
例えば、QS Rankingは、学問別(by subject)以外にも持続可能性(Sustainability)・学生街(Student city)・雇用性(Employability)など面白いランキングなども公表しています。思いがけない大学が見つかったりするので、「別にランキングの順位とか気にならない」といった人にもおすすめです。
また、ヨーロッパの大学などのレベルの位置付けが分かりにくい大学は、日本の大学の提携先などを見てみると良いかもしれません。
大学の難易度、出願のプロセスなど
出願までにあと何年あるかによっても変わってくるとは思いますが、やはり時間が限られてくる中でドリーム校ばかりだと後々の自分の首を絞めることになるので、真っ先に確認すべき点だと思います。
- 合格率(アーリー、レギュラー別で)
- 出願資格
- 出願書類の多さ
- エッセイの数
合格率に関しては、入試選考が不透明で若干賭けな部分のあるアメリカ、反対に成績や英語要件をクリアすればなんとなく見込みがつくカナダやヨーロッパ幾つかの大学によっても変わると思います。
1桁代などの合格率を見るとびっくりしますが、まだ受験まで時間があるなら決して切り捨てず、候補に残しておきましょう。
また、College vineやNicheなどでは大学のレベル感やスコアや課外活動を入力すると合格率などを予測してくれます。それ以外では、Twitterでの先輩の合格実績(Stats)などを参考にし、最新かつ生の声を取り入れるようにしていました。
そして、必要なスコアや成績以外のエッセイや準備する必要のある書類も、「まだ出願先だからいいや」と先延ばしせず、しっかり確認しましょう。
大学によって求められるものはバラバラなので、出願資格がそもそもなかったり、数ヶ月かかる書類や推薦状を直前で発覚すると相当大変です。
大学の規模感
海外大学といっても、UCLAのようなマンモス校だけではありません。アメリカにもヨーロッパにも、一学年1000人を切る大学があったりと、高校のような規模感で学べるような大学もあります。
- 生徒教授比(Student-faculty ratio)
- 学生の全体の数
- 男女比
- 留学生の数
- 人種の比率
人数が多ければリソースや機会に恵まれる、反対に人数が少なければ手厚いサポートやコミュニティに出会える。好みや専攻などによっても変わってくるとは思いますが、大学生活を大きく左右する重要な点だと思います。
学校の規模感に大きく関わる、生徒教授比(Student-faculty ratio)は、アメリカのリベカレは8:1ほど、総合大学や州立になると20:1などになります。
どちらがいいか人それぞれですが、そこまでこだわりがない人は初めは気にしないこともおすすめです。
私の例で言うと、最初はリベカレ=少人数、サポートもしっかりしているというイメージに囚われすぎて、初めから大人数の大学をほぼ切り捨てていました。
ただ後々、総合大学でもサポートがしっかりしていたり、生徒教授比がちょうど良かった大学を見つけたりしていたので、初めから切り捨てずに、その先のサポートや先輩の生の声を聞くことをおすすめします。
立地や生活面
4年間を過ごす場所なので、いくら大学の校風やプログラムに惹かれても、自分が耐えられなさそうな場所に何年も住むのは苦痛な人が多いと思います。
国から絞る人も多いかもしれませんが、都市や州によっても大きく変わるので、要素を分解してみていきましょう。
- 都会か田舎か
- 治安はいいのか
- 日本からのアクセス
- 周辺の国などへのアクセス
- 食事や気候
特に都会か田舎は、アメリカ系大学説明会に行くと必ず言及されます。都市はいろんな機会やアクセスが良い、反対に田舎は何も誘惑がなくて勉強に集中できる、など。
それ以外にも、大学周辺の治安はどうなのかも重視すべき点です。大学といっても4年間大学に籠っているわけにもいかないので、特に海外生活が初めての場合(私含めて)は安心して学生生活を送るためにもとても重視していた項目でした。
また、日本からのアクセスや周辺の国々への旅行のしやすさは意外と見落としがちかなとも思います。北米の主要都市は日本から直行便があったりしますが、少し離れにある場合は、乗り継ぎかつ、空港からまた移動するケースも多いはずです。
他にもアジアやヨーロッパの場合、周辺の国に旅行がしやすい点が挙げられます。
立地以外にも、その土地の食事(カフェテリアが美味しいのかなども笑)、気候(年中晴れているのか、曇天なのか)なども勉強以外のストレスを与えかねない大きな要因にもなると思うので確認しましょう。
学費と奨学金
ここまでいろんな要素がありますが、結局は家庭の経済状況、いくら一年で学費に使えるのかを家庭でしっかり確認することが最重要です。
- 大学から奨学金は出るのか
- 奨学金の種類(Need-based, Merit-based)
- 留学生にも出るのか
- 日本の財団の指定リストの有無
学費が高騰している北米圏の私立大学では奨学金が必要になってくることもほとんどだと思います。
Need-based, Merit-based制度のあるアメリカの大学、留学生向けの奨学金があるカナダの大学はもちろん、意外とヨーロッパの大学でも私立で留学生が多い大学であれば、奨学金を支給する大学は思ったより多くあります。
また、奨学金の給付率を公表する大学もありますが、大事なのはその割合が、生徒全体なのか、または留学生のみの割合なのかをしっかり確認することです。
どうしても留学生には奨学金を支給する割合が一気に下がるので、しっかり細かいデータまで確認する事が大切です。
また、有名な柳生・笹川・グルー財団以外にも、国指定または特定の大学指定で奨学金を給付する財団等もあるので、それらを早い段階で入念にガクシーや他のポータルで調べておくことをおすすめします。
また、財団ではありませんが、大学指定のない国のJASSOの学部学位取得型は、国ごとで給付額の差があり、かつ書類等にものすごく時間がかかります。検討している人は早めに準備しましょう。
最後に
ここまでジャンル別に受験生として参考にすると良い項目や要素を紹介しました。
エージェントや説明会で紹介する要素以外にも、後々の学生生活に響いてくるであろう細かい部分はたくさんあります。リサーチは骨の折れる作業ですが、ぜひ今回紹介した項目が、効率よくリサーチする助けになれば嬉しいです!