以前「マレーシア留学中に引っ越ししたら、エージェントに詐欺られて家を失いかけた話」という記事を書きました。

今回はそれの続編になります。
というか全然関係ない話なので続編でもなんでもないんですが、またそのエージェントにやられて敷金のRM2000を盗まれた話です。
今回の話の概要はこうです。
マレーシア留学生のRayはへなちょこエージェントとの格闘の末、なんやかんやで新居に引っ越しをすることに成功。
しかし、それから数か月が経つとエージェントと連絡がつかなくなってきた。返信頻度が日に日に下がり、とうとう全く返事が来なくなった。
他のユニットメイトや家のオーナーに確認すると、他の人も連絡がつかなくなったようだ。どうやら、RM2000のデポジットを抱えたまま逃亡したと見える。
彼の両親の電話番号を突き止めて連絡するも、彼の両親にもWhatsAppをブロックされて連絡手段が途絶えたので、警察に行って宣戦布告をしたRayであった…
トラブル回避のためのアドバイスをまとめてみました。

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第1章:エージェントと連絡がつかなくなった
WhatsApp、ブロックされた?
トラブルはあったものの、なんやかんやで引っ越しは完了して新生活がスタートしたよ、というのが前回までのあらすじ。ここまでが気になる人はこちらの記事を読んでね。
2023年の12月に入居してからしばらくすると、エージェントに何かテキストを送っても返事が全然返ってこなくなりました。2024年の1月頃にはもうほぼ音信不通になってたはず。
おかしいなと思って他のオーナーとか同じ部屋に住むルームメイトに尋ねてみるも、みんな連絡がつかなくなったみたい。
家賃はオーナーに支払うことに
電話番号を変えたのか知りませんが、多分WhatsAppをブロックでもしたんでしょう。この頃、オーナーからも「例のエージェントとはもう提携関係を終了したので、彼には一切お金を払わないように」とのお達しがありました。
家賃をどこに払えばいいんだということになったので、とりあえずオーナーの口座に家賃のRM800を毎月支払うことに。
ちなみに、契約は2024年の6月末で終了のつもり(7か月契約)でしたが、2024年の12月末まで、6か月契約を延長することにしました。こちらの合意はオーナーとの間で行いました。
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第2章:敷金を盗まれたので、両親にチクってみた
ただ、当然退去の2024年12月を過ぎてもエージェントからは何も返信がありませんでした。

本来は退去の際に返金されるはずのデポジットRM2000。
別に破産する金額でもないけれど、6.5万円ちょっとを失うのは流石に学生としては許せん。オーナーが彼の両親の電話番号だけ知っているとのことで、そちらに連絡してみることにしました。
まずは父親に連絡。
私:「お宅の息子さんから家を借りてるんですが、デポジットが帰ってこなくて、連絡もつかないんです」
父親:「息子は今薬物中毒で刑務所です。オーナにも責任があると思います。どうか許してあげてください」
私:「オーナーは彼が全てのお金を持っていると言っています」
父親「Arigato」
なにが「Arigato」だよ、舐めんな😡

それでも、「連絡だけ取りたいので、彼のNRIC(身分証)の番号だけ教えてくれませんか」と言ったら、ゴチャゴチャわけわからんことを言ってきて、これ。
「Your English is almost perfect」(←焦りすぎて翻訳機使ってただけだけど)とかいう謎の媚びを売られ、ブロックされました😇

彼の母親にも連絡してみましたが、父親から根回しをされていたのか、一言も返事がなくブロック。
そもそも「息子が刑務所に入っている」という事実さえ嘘なのかもしれません。
第3章:警察署に行ってみた
向こうがその気ならこっちもやってやんぞ、と思って最寄りの警察署に行ってみることにしました。
ちょうど大学の近くのサンウェイピラミッドモールの裏に警察署がありました。

ポリスレポートという事件簿を作ってもらうことにしました。銀行の取引履歴や物件の契約書、WhatsAppのスクショなどを持って、時系列にあったことを話しました。
ちなみに、「マレーシアに行くと警察が全然対応してくれないよ」という口コミをよく聞きますが、私の場合は割と丁寧に(同じ件で2回行っていますが)話を聞いて対応してくれました。
ただ、最終的に「この場合は事件というより、裁判所に行ってお金を取り戻すしかないね」と言われたので、警察で何かをするのは諦めました。基本こういう場合は民事で争うことになるそうです。
警察には「裁判には1年以上かかるし、RM2000の回収のためにlawerを雇わないといけないからRM7000以上かかるぞ」などと言われたので一旦家に帰りました。
第4章:裁判、やっちゃう?
でも、色々調べてみたら、少額訴訟(Small Claims)という制度があるみたい。被害額が少額(RM5000以下)の場合には、弁護士なども無しで、RM20の手数料で訴えられるらしいです。
全然RM7000とかいらんやんけ、警察に騙された(その警察も知らなかっただけかも)😭
私の友達もデポジット奪われるトラブルに巻き込まれたことはあるみたいだし、マレーシアでのデポジットトラブルはあるあるみたいです。今回は👇の方のnoteなんかも参考にしました。

ただ、基本的にこの制度を利用するためには相手の住所が必要。私が今持っているエージェントの情報は
- 顔
- 名前
- 電話番号
- 両親の電話番号
- 銀行口座の番号
だけです。住所を知りません。それでもって、
- 個人でエージェントとやり取りをした(会社を通さなかった)ので、会社に連絡もできない
- 契約書にエージェントのNRICの番号(身分証明書)と住所が記載されていない
- オーナーもエージェントのNRICと住所を知らない
という感じだったので、詰みました😇
よく考えたら引っ越し前にそれを確認しなかったんだとは思いますが、当時は平和ボケJapaneseだったのでそんな泥棒まがいなことをする人がこの世にいるとは思っておらず(ましてや自分がまきこまれるなんて…)、そこまで契約書を確認などしていませんでした。完全に油断していました…
そして、性善説に基づいて生きすぎた自分も悪いですが、なんでオーナーも住所とかを知らないんだよ。常識的に考えて、一応ビジネスの仲間というか提携してる関係なんだから相手の素性くらい把握しとくもんじゃないの…

というか、それも含めて実はオーナーも泥棒エージェントとグルな可能性もあると思います。
「銀行に事件の事を話せば、口座から情報を開示してくれるかもし…」など警察にゴネてポリスレポートを作ってもらおうと思いましたが、それもダメ。
まあ常識が通用しないのがマレーシア。そういうわけで、住所を良い感じに突き止めないと裁判ができないので、泣き寝入りになりそうです。
裁判所で相手の住所が分からなくても訴えられる公示送達とかいうやり方もあるとかないとからしいですが、こちらもすごく複雑そうというか、よく分からない…
この事件の概要を時系列でまとめ
出来事まとめ
ここまでの流れをおさらいしていこうと思います。
2023年
- 10月前半:Sunway Collegeの留学生のWhatsAppグループで例のエージェントを紹介される
- 10月20日:エージェントにあって物件の内見をする
- 10月23日:契約をすることに合意。契約書はまだないが、RM2000のデポジット+初期費用RM950の合計RM2950を支払うことに。
- 10月25日:RM2950全額の支払いが完了
- 11月29日:引っ越し当日。なぜかこの日に契約書が送られてきてサイン。引っ越しはとりあえずできた
2024年
- 2024年1月頃:エージェントと連絡がつかなくなる。家賃はオーナーの口座に支払い
- 9月頃:オーナーや他の居住者に尋ねてみるも、同様にエージェントにWhatsAppをブロックされていることを確認
- 9月6日:彼の両親に連絡するも、ブロックされる
- 11月:1か月の契約期間を残して退去。日本に一時帰国
2025年
- 2月末:新居に引っ越し(全く別の物件)
- 3月7日:警察署に行くも、裁判所に行けと言われる。が、相手の住所を知らないので少額訴訟ができない←今ココ
契約はもともと2023年12月~2024年6月いっぱい。オーナーと話し合って、結局2024年の12月いっぱいまでの13か月契約にしました。
考えられる黒幕まとめ
ここから黒幕について色々考察してみましょう。
- 連絡がつかなくなったエージェント:言わずもがな一番悪い
- エージェントの身分を把握していないオーナー:なんで仕事仲間なのに身分知らんねん
- 彼の情報を教えないでブロックした両親:親も息子に困っている可能性はあるけど、ブロックしなくても…
- 契約書に相手の身分が書かれていないことを見落としていた私:確かに不注意だけどこんなの予想できなかった…
うん、全員何かしら悪いところがある気がする。
というか、
- 息子は今刑務所にいると言っている両親が嘘をついている
- オーナーも実はグルでお金を騙し取っている
などの可能性もあります。まあこれについては考えたところで知りようがないけど。
この事件から学んだアドバイス
デポジットが返さない件について、皆さんが同じような被害にあわないために私から言えるのはこんな感じ。
- 契約関係者全員の身分を事前によく確認しておく:住所やNRICを抑えておくことで少額訴訟に持ち込める
- デポジットの返却条件についてよく確認しておく:後で「修理費とかあるから返さないよ~」とか言われる場合もあるみたい(今回の場合は違うけど)
- 詐欺の可能性をいつでも念頭に置いておく:特に外国人だとマレーシアで物件のお金トラブルはあるある
- iPropertyやPropertyGuruなどの物件管理会社を通して契約する:いざとなった時に親会社に連絡できる
- 知り合いからの紹介のエージェントなどを使わない:上記と同様の理由
お金を盗んだエージェントが一番悪い(本当に刑務所にいるのかもしれないけど)んですが、自分が平和ボケしていたからこういう事件に巻き込まれたというのもあると思います。だって日本でこんな経験したことなかったんだもん。
失ったのがRM2000ということで、ちょっと学生には厳しい勉強代となりましたが、まあ破産する額じゃなかっただけラッキーと思うことにしました。
マレーシアに長く住んでいる知人に聞いたところ、引っ越すと決めたら最後の2か月くらいは家賃を払わないのが良いらしいです。理由を作って払わないで、最終的に掃除費用とかで請求されるお金をデポジットから差し引いてくれっていう言い方をするといいんだとか。今度からそうしようかな。
終わりに
こんな感じで、私は見事にRM2000のデポジットを盗まれました。連絡先ブロックされたら、お金とか簡単に取り返せないですからね。みなさんも気を付けて。
んでもって相手の住所が分からないので、もう一回警察やら裁判所に行って銀行に情報開示をしてもらうとかもできるのかもしれませんが、実際に金額とか手間とかを考えると泣き寝入りする確率が高い気がします。
ちなみに、このことを話したらちょうど日本人の友達もデポジット盗まれ被害にあっている最中だったようです。その人は顧問弁護士とかつけて戦う気らしいので、頑張ってほしいです。
何か解決策とかある人がいたら教えてください。よろしくお願いします🙇
トラブル回避のためのアドバイスをまとめてみました。
