「海外の大学にも卒論ってあるの?」と聞かれることがあります。
実は、モナッシュ大学のIT学部にも「卒論」に近い制度があります。
ただし、中身はかなり独特で、一人で黙々と論文を書き上げるタイプではなく、チームで進める実践的なプロジェクトになっています。
自分はモナッシュ大学マレーシア校のIT学部でデータサイエンスを専攻していて、3年生になってこの「Final Year Project(FYP)」という科目がいよいよ始まりました。
というわけで今回は、現役学生の視点から「モナッシュ大学の卒論って結局何をするのか」をざっくりまとめてみました。
学部によって内容は異なります。文系だとFYPがそもそもない場合もあるようです。あくまで情報学部の参考情報として記事をお読みいただけますと幸いです。
さらに詳しい情報を知りたい方はこちら!

「卒論」に相当するのはFinal Year Project(FYP)
モナッシュ大学IT学部で「卒論」に相当するのが、このFinal Year Project(FYP)です。
専攻によって科目コードが分かれていて、内容はほぼ共通しています。
- FIT3161/FIT3162:Computer Science専攻(Advanced Computer Scienceの学生向け)
- FIT3163/FIT3164:Data Science専攻
- FIT3188/FIT3189:Cyber Security専攻
- FIT3193/FIT3194:Artificial Intelligence専攻
自分はデータサイエンス専攻なのでFIT3163を履修していますが、どの専攻でもやること自体はほとんど変わりません。専攻ごとにテーマの方向性が違う、くらいのイメージで大丈夫です。
最近になってAI専攻が追加されたりもしているようなので、コース数自体は増えています。
Rayサイバーセキュリティ専攻はオーストラリア本校だけで開講されているよ。


2学期にまたがって進める仕組み
FYPはPart1とPart2の2つの科目に分かれていて、1学期では終わりません。
Part1で企画・提案を固めて、Part2で実際に開発や研究を進めて完成させる、という流れになっているようです。
基本的には連続する2学期(たとえば3年前期→3年後期)で続けて履修するのが原則とされています。
間を空けてしまうと、同じチームで続けられなくなったり、選んだテーマ自体がなくなってしまったりするリスクがあるためです。
そういうわけで、休学をしたい人は、3年生に上がる前のタイミングまでに休学する方が良いと思います。



チームプレイなのでそこは難しいね。
個人ではなくチームで進める
特徴的なのが、個人ではなくチームで進めるという点です。
基本的には友達同士でチームを組めますが、人数が足りない場合は先生がランダムでチームに入れてくれる仕組みもあります。
最初は4人だったのですが、自分の場合は、テーマの数に対してチームの数が足りないという理由で、最終的に5人チームに組み込まれました。正直「そんな理由で!?」と思いましたが、こればかりは仕方ありません笑。
評価はどんな観点で決まるか


評価は複数の要素に分かれていて、大きく分けると以下のようなカテゴリがあります。
- 個人のvlog・振り返り
- グループミーティングの録画・議事録
- 中間発表(Mid-semester pitch)
- 最終提案プレゼン(Final Proposal presentation)
- グループ間の相互批評(Group critiques)
- 提案書(Proposal report)
個人の課題だけじゃなく、チームでの活動プロセスそのもの(ミーティングの記録や議事録)まで評価対象になっているのが面白いところです。
具体的な配点や、各項目で何が求められているかの細かい話は、また別の記事(note)で詳しくまとめる予定です。
どんなテーマに取り組むのか
テーマは自由に一から考えるわけではなく、先生(指導教員)から提示されるテーマのリストの中から選ぶ形式になっています。
テーマ一覧をそのまま公開するのはアレなので、雰囲気だけ伝えると、
- 画像認識を使った異常検知アプリ
- 業務データを分析するダッシュボード
- Webアプリとして動く便利ツール
など、AIやデータサイエンス/機械学習を絡めた実践的なテーマがずらっと並んでいる感じです。
最終発表はどんな感じ?賞金ももらえる?
FYPには「FYP Award Day」という表彰の場も用意されています。
優秀なプロジェクトには賞金が出たり、企業からの就職オファーにつながったりすることもあるようです。
単位を取るためだけの科目ではなく、頑張った分だけ将来につながる可能性がある科目、という位置づけのようです。
まとめ
モナッシュ大学の「卒論」ことFYPは、一人で黙々と論文を書くタイプの制度ではなく、チームで実践的なテーマに取り組むプロジェクト型の科目、というのが今回のざっくりとした結論です。
この記事ではあえて全体像だけをシンプルにまとめましたが、実際にはGenAIの利用ルールや配点の詳細、実際の授業の雰囲気、成績のつけられ方の傾向など、もっと踏み込んだ制度の話がたくさんあります。
そのあたりは、有料note側で詳しくまとめました。詳しい記事はこちら:


実際にプロジェクトが進んでチームでの体験談が溜まったら、その内容も別記事で書こうと思います。

