マレーシアで国内トップの評価を受けているモナッシュ大学マレーシア校。
世界ランクも高く、オーストラリアの名門大学の卒業資格が本校の3分の1ほどの費用で取得できてしまうことから、日本人の留学先としても人気の大学です。
今回は、モナッシュ大学マレーシア校の基本情報からキャンパスの様子、学べる学問、受験プロセスなどの情報を分かりやすくまとめてみました。
私の通っている大学でもあります!
基本情報
モナッシュ大学マレーシア校の基本情報はこちらです。
大学名 | モナッシュ大学マレーシア校(Monash University Malaysia) |
創立年 | 1998年 |
位置 | マレーシア・スバンジャヤ(クアラルンプール郊外) |
世界ランク | QS世界大学ランキング37位 |
学生数 | 約9,300 人1 |
留学生比率 | 不明。79か国以上から学生が集まっている。 |
学費(学部課程) | 年間150~180万円程度 |
モナッシュ大学マレーシア校は、オーストラリアの名門モナッシュ大学の海外分校として1998年にマレーシアで初めて開校しました。こちらはGroup of Eightと呼ばれるオーストラリアの有名大学群の一つにも入っています。
毎年世界大学ランキングトップ100にランクインする優れた教育レベルを誇っており、国際色豊かなキャンパスが特徴です。また、オーストラリア本校との交換留学のみならず、世界30カ国以上の提携大学への交換留学プログラムが用意されています。
オーストラリアの名門大学の卒業資格を本校の3分の1の価格で受けることができ、質の高い教育を比較的安価な学費で受けられることから、マレーシア留学の人気校の一つとなっています。
例えば、オーストラリア本校で受けると学費が500万円ちょっとするカリキュラムでも、マレーシア分校で履修すると学費が170万円程度だったりします。
ただし、教育カリキュラムや品質は全く同じものとなっているため、学費はマレーシア価格でも卒業証書や卒業後の肩書(扱い)もオーストラリア本校を卒業した人と同じになります。
留学生は中国かインドネシアなどの近隣の国から来ている人が多いです。正確な人数は分かりませ んが、日本人も結構いて、大学を歩いているとかなりの頻度で見かけます。
また、サンウェイ大学やカレッジでは中華系やインド系の先生が多いですが、モナッシュ大学は海外大学の分校なのでオーストラリア人の先生なども多く見られます。
残りの現地人は、ほぼ中華系マレーシア人になり、インド系やマレー系のマレーシア人はあまり見かけません。授業料が高額であるため、 賃金が低いマレーシアではお金持ちの中華系マレーシア人しか通えないためこうなっているのだと思われます。
この大学の魅力まとめ
学費の割に国際的評価が高い
年間の学費が200万円以下でありながら世界ランク50位以内の大学に通えてしまうという意味で、破格のコスパだと思います。もちろん他のマレーシアの大学よりは高額になりますが、同じようなランク帯の大学を卒業しようとすると、年間の学費は500万円程度してしまうことも多いです。
そして、なんといってもオーストラリアのGo8の大学の卒業資格を得ることができるという点が大きいです。世界ランクのみならず、権威あるオーストラリアの大学卒という資格が得られれば、就活でも強力な武器になるでしょう。
また、マレーシアは生活費が安いため、ここでも他の国の留学先と比べて卒業までの費用を抑えることが可能です。
国際色が豊か
キャンパスには世界79ヵ国以上から留学生が集まっているため、国際色豊かな環境で学ぶことができます。また、英語で授業が受けられるという意味でも、日本の大学ではなかなかできない体験ができるでしょう。
また、オーストラリア本校やその他世界30ヵ国以上の名門大学に交換留学に行くことが可能な点も魅力です。
生活がしやすい
これはモナッシュ大学に限った話ではありませんが、マレーシアは生活費が欧米諸国と比べて安価なことに加え、食べ物もおいしく気候も厳しくないため、学生生活を送りやすい国だと思います。
また、治安も良く、その意味でも安心です。実際に私自身も一度も危険な目にあったことはありませんし、女性の友達や先輩も深夜に一人で外をほっつき歩いているくらいです。
そして、モナッシュ大学はサンウェイシティという生活に必要なものが何でも揃っている街に位置しており、かつ駅もゲートを出てすぐの場所にあるため、マレーシアの大学の中でも生活のしやすさという意味では群を抜いていると思います。
キャンパスと学生生活
ロケーションと施設
キャンパスはクアラルンプール郊外にあり、クアラルンプール国際空港やクアラルンプール市内へもアクセスしやすい(車で30分ほど)立地です。最寄り駅はBRT路線のSunU-Monash駅で、ゲートを出てすぐの場所にあります。
また、大学の近くには大型ショッピングモール(サンウェイピラミッドモール)や総合病院(サンウェイメディカルセンター)、スーパーマーケットや雑貨店まで何でも揃っています。基本的に大学周辺で生活が一通り完結する便利な立地となっています。
近くにはサンウェイ大学やテイラーズ大学が歩いていける距離にあります。
何枚かキャンパスの写真も載せておきます。かなり緑が多い、東南アジアという感じのキャンパスです。
構内にはカフェテリアが2つ、コンビニや銀行(Maybank)の支店なんかもあって便利です。図書館は2024年にリニューアルされたので、綺麗で神です。
大学公式のキャンパスツアー動画もあるようですので見てみてください。かなり盛られています。
カッコイイ風に撮影されていますが、実際に見ると敷地は5分くらいで一周できちゃうくらいこじんまりとしていて、日当たりも悪くて地味なのであまり好きじゃないです(黙れ)。
詳しいキャンパスツアーはこちらの記事で行っていますので、併せて読んでみてください!
また、キャンパスの近くには学生寮も3種類用意されています。
- Waterfront Residence:他の学生寮よりは高級だが、個室があり日本人学生に人気
- Sun-U Residence:ツインルーム(相部屋)しかないが、Waterfront Residenceよりは安い。
- Sun-U Apartment:一番安いがエアコンが無く、不人気。住んでいる人を見たことが無い。
私はWaterfront Residenceに住んでいました(すぐ引っ越しましたが)。
イベントやクラブ活動
モナッシュカップと呼ばれる体育祭のようなものや、インターンシップフェア、各国の文化紹介などのイベントが頻繁に開催されています。
学生はみな勉強に熱心な大学であるため、クラブ活動はあまり盛んではありません(体育館くらいしか設備ないし)。お隣にあるサンウェイ大学にはフットサルコートなどもあり、こちらのほうがそういう意味では活気があります。
一応学校のこちらのサイトにクラブ活動が一覧でまとめられており、見てみるとバドミントンやチェス、起業家クラブなど約60の団体があるようです。チアリーディングはよくキャンパス内で活動しているのを見ます。
というより、モナッシュ大学に限らずマレーシアの大学ではどこも全体的に日本の大学ほど盛んなクラブ・サークル活動の文化はありません。
教育カリキュラム
ファウンデーションコース~博士課程までの豊富なプログラムが用意されています。授業は英語で履修することができます。
学べる学問
学部課程
基本的にはイギリスと同じく3年制ですが、一部工学部などは卒業までに4年かかるものもあります。
学費は基本的に年間150~180万円程度です(コースによって異なります)。
- 人文・社会科学(文学、社会科学など)
- ビジネス(商学)
- 工学(土木工学、化学工学、機械工学など)
- 情報(コンピュータサイエンス)
- 医学と健康科学(医学、心理学、人間栄養学など)
- 薬学
- 科学(理学、食品科学技術、メディカルバイオサイエンスなど)
ダブルディグリー(ビジネスと科学など、二つの専攻の学位を同時取得すること)や優等学位(論文を書くことで手に入れられる通常の学士課程よりも上位の学位)が開講されている場合もあります。
ここでは省略して表記していますので、気になったカリキュラムについてはこちらのリンクから詳細を調べてみてください。
学部課程では特に薬学部が名門で、QS世界ランクで世界1位や2位を獲得しています。日本人は7~8割方ビジネス学部(文系)の印象で、残りがコンピュータサイエンスにいるという感じです。
修士&博士課程
学費は年間160~200万円程度です。学部課程よりもちょっとだけ高くなるようです。
- 人文・社会科学(コミュニケーション・メディア学、哲学など)
- ビジネス(商学)
- 工学(応用工学など)
- 情報(人工知能、ビジネス情報システム、データサイエンスなど)
- 医学と健康科学(生物医学、プロフェッショナル・カウンセリングなど)
- 薬学
- 科学(理学)
Pre-Universityコース
- Monash University Foundation Year (MUFY)
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私が通っていたモナッシュ大学のファウンデーションコースです。理系から文系まで幅広い科目が開講されており、一年間かけて大学で学ぶ科目の基礎(高校レベル)を学びます。年間の学費は120万円程度です。
英語要件や成績要件などの入学基準が学部に直接入学するよりも緩く設定(IELTS5.5)されており、一定の要件を満たして卒業するとモナッシュ大学の好きな学部への進学が可能になります。
同じくSunway Collegeで開講されているCIMP(Canadian International Matriculation Programme)と呼ばれるカナダのオンタリオ州の高校卒業資格が得られるPre-Uプログラムを経由してモナッシュ大学に進学する日本人も多いです。
【マレーシア留学】モナッシュ大学のMUFY完全ガイドを作りました【ファウンデーションコース】 | Rayの海外… こんにちは、マレーシアに留学中のRayです。私は現在、モナッシュ大学のファウンデーションコース(通称:MUFY)を修了したところで、2024年7月からモナッシュ大学のコンピ… - MEB(Monash English Bridging for University)
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いわゆる英語集中コースです。学費は20 weeksで40万円弱2です。
学部入学基準のIELTS6.5が取れなかったり英語に不安がある人が履修します。とはいえ、こちらも入学にはMUFYと同じくIELTS5.5以上が必要です。
半年間かけて英語でのプレゼンのやり方やアカデミックライティングのやり方を学び、その後学部課程に進学します。こちらはMUFYと異なり、入学時には学部を決定しておく必要があります。
Ray日本人がめちゃくちゃ多い(クラスのほとんどを占めている)ので、私は勝手にモナッシュ大学日本人語学学校と呼んでいます。
モナッシュ大学MEBコースとは?英語力が足りなくても名門海外大学に入学できる?【マレーシア留学】 | Ray… この記事では、僕が通っていたモナッシュ大学マレーシア校のMEB(Monash English Bridging)コースを紹介します。 世界でも名門として知られているモナッシュ大学の海外分…
受験情報
学部課程では、受験に当たって以下のものが必要になります。
- 高校の成績証明書(概ね4.0/5/0以上が必要とされる)
- 英語力を証明する資格
- IELTS 6.5(各バンドスコア最低6.0)以上
- もしくはTOEFL iBT79以上
- 高校の卒業証明書
英語要件に関しては日本人ではTOEFLよりもIELTSを用いる人が多い印象です(マレーシア英語もどちらかというとBrithsh訛りに近いですしね)。Pre-UniversityコースではIELTS5.5以上が必要になります。
高校の成績証明書と卒業証明書は日本語バージョンと英語バージョンをどちらも用意する必要があるため、出願をしたい時期より前もって学校の先生に相談しておきましょう。
私の高校では先生にお願いしたら2週間程度で作成してくれました。
書類が条件を満たしていれば誰でもほぼ確定で合格するものの、明確な成績の基準は公開されていません。
上記の値は留学エージェントなどの界隈で一般的に言われているものですが、成績が3代で受かった先輩のケースも知っていますので、詳細な合格のボーダーラインは不明です。
まずはこちらのページからコースを探し、ポータルサイトから出願する流れになります。
Pre-Uuniversityコースとは出願時期が異なりますが、学部課程では2, 7, 10月入学が可能です。
修士&博士課程では2, 7月(もしくは両方)のコースが多いですが、哲学博士や工学修士(研究)のように、空き状況に応じて通年で願書を随時受け入れているところもあるようです。
合格通知をもらった後は学生ビザの発行に2~3ヵ月かかることがほとんどなので、渡航したい時期の3,4ヵ月前には出願を始められると良いです。
そのため、多くの日本人は高校卒業の時期の3~5月ごろにかけて出願します(日本人だと7月入学が一番多いため)。人気のカリキュラムだと席が埋まってしまう可能性があるため、早めに出願をするようにしておきましょう。
交換留学について
学部課程では、2~3年次にかけて、支払う学費はマレーシア価格そのままでオーストラリア本校に半年間の交換留学をすることが可能です。ただし、成績は平均で60%以上取得していることが条件となります。
また、世界30ヵ国以上の名門大学と交換留学の提携を結んでおり、こちらも最大1年間他の海外大学で学ぶことが可能です。こちらは成績の高い人から順に取られていくそうです(60~80%の成績あたりが相場らしい)。
日本の大学とも提携を結んでいるところはあるようですが、日本人は日本の大学に行くことはできないようです笑。
終わりに
今回はマレーシアのモナッシュ大学の各種情報を徹底解説してみました。マレーシア留学を検討している方の参考になれば幸いです。
キャンパスツアーの記事もありますので、そちらも併せて読んでみてください!