日本では入学シーズンと言えば桜咲く4月が一般的ですが、マレーシアは実はそうではありません。学校にもよるが、大体は年に二回、多いと三回ほどの入学時期が選べます。
大体の人は高校を卒業した後に7~9月の夏あたりに渡航してきます。ただし、中には2月などの冬入学でマレーシアに来る人もいます。
今回はそういった入学事情を踏まえ、今回はマレーシア留学で人気の留学時期などについて書いてみようと思います。
入学時期がたくさん?
なぜ複数時期の入学を受け付けながら年間のカリキュラムを回せるのでしょうか?
そのシステムを簡単に説明すると、一年中卒業のために必要な授業を開講しているというだけです(脳筋)。年がら年中授業をやっているため、7~9月の夏に入学しても、10月に入学しても、2月に入学しても同じ授業を同じカリキュラムで履修することができるのです。
このシステムは教授の負担が増えるため日本では取り入れるのは難しいとは思いますが、かなり魅力的なシステムではないでしょうか?休学などもしやすいしですし、様々な時期に入学できるので、高校卒業のタイミングが違う留学生を取り込みやすいという点も学校側のメリットになります。
私の通っているモナッシュ大学は7, 10, 2月あたりの入学が選べる学部が多いです。このあたりは大学によって異なるので、志望校のプログラムページを確認してみてください。
日本人に人気の入学時期はいつ?
冒頭でも書きましたが、夏秋に入学してくる人が多いです。ここでいう夏秋とは7~10月のことで、体感8月あたりに来る人が多いと思います。
理由としては、恐らく最短で大学に入学することができるからだと思います。
もちろん最短で大学に入って社会に出ることが偉いといったことはないのですが、特にギャップイヤー取りたいなどといった事情がない場合は、すぐに大学に入ろう!という考えになることが多いのでしょう。
現地の学生はいつ入学する?夏入学のメリットは?
日本の学生とは異なり、現地の学生は冬入学(1, 2月入学)が多いです。マレーシアの高校を卒業するタイミングは日本のように3月ではないため、最短で入学するとカリキュラム的に冬入学になるらしいです。
実際に私の通っているMUFYというコースでも入学者数は7月入学では600人程度でしたが、冬入学だと現地の学生が一気に入ってくるため1500人程度になるそうです。
そのため、マレーシアで夏入学してくる現地の人はギャップイヤーを取得していたりと何らかの事情がある人、ということになる(?)のだと思います。もしマレーシア人が多い方がいい、日本人が少ない環境で揉まれたい、という人は冬入学を選択する方が良いと思います。
といいつつ夏入学の日本人は学年10人程度、冬でも5人程度だったので、特にクラスが同じになることもないと思います!あまり関係ないかと!
夏入学の場合は同時期に渡航してくる日本人も(他大学を含め)多いので、日本人の友達ができやすい、就活などのペースを周りに合わせやすい、というメリットがあると思います。アメリカの大学は秋入学だったりするので、冬入学で大学に入ると一般的な海外大生とは就活のスケジュールが大きくズレてしまう点は注意が必要です。
日付的なことに少し触れておくと、一般にマレーシアの大学は入学の2~3ヵ月前までに受験に必要な学校の成績証明書やIELTSの資格などを用意する必要があります(学生ビザの申請の関係)。そのため、例えば7月入学なら4月の終わり~5月くらいまでに書類を用意しておかなければならず、8, 9月入学ならそれに加えて1, 2ヵ月の余裕が生まれます。
高校側でも用意してもらう書類の準備などがあるため、スムーズに入学できるようにするためには高校を卒業する前から先生に書類のことについて話しておいたほうがいいと思います。
冬入学でマレーシアに来る人たち
もちろんいつの入学時期に来ようが人の勝手なのですが、冬入学でマレーシアに来る人は珍しいというのも事実なので、この時期にマレーシアに来る人に考えられる事情や理由をいくつか書いてみようと思います。
英語のスコアが取れなかったから
マレーシアの大学は、学部で言うと入学条件は大体IELTS5.5~6.5の所が多いです。ファウンデーションコースなどでは5.0の所もあり、TOEFLも使えますがIELTSで受験する人が多いです。
正直な所、マレーシアは他の海外大学と比べると求められる英語力は低いと思います。実際、IELTSの6.0や6.5というのは英検で言えば準一級程度で、天才でないと取れないレベルの資格ではないと思います。
ただ、どうしても英語が苦手だったり日本の大学受験が終わってからマレーシア留学を決意した人なんかだと、IELTS独特の形式や受験そのものに対して準備が必要になって間に合わない可能性が出てきます。
先ほどの日付の関係で、5月末までに書類を用意するのは不可能ではないと思いますが、大学選びのための情報収集や心の決心をする時間も必要になると思うからです。
こういった理由で、割と遅めの段階でマレーシア進学の決心をした人がIELTSなどの対策を始めると英語のスコアメイクが間に合わない可能性も出てきます。その場合英語力が足りない人向けの英語クラスに入学してから学部に進学するという手もありますが、お金がかかったりするために入学時期を見送る人が多いのではないでしょうか?
ビザの申請が間に合わなかったから
この事情の人はかなり多く、実際知り合いに何人もいます。原因は高校のせいだったりエージェントのせいだったり、自分の確認ミスだったりと様々です。
特に7月入学をしようとすると、4月, 5月中にはビザの申請をしなくてはいけないことになります。私の場合は高校を3月1日に卒業した直後に受験をして4月中旬に大学からの合格通知が来るという感じだったので、あと一ヵ月遅れていたら7月入学はできなかったかもしれません。
マレーシアの大学からオファーを貰うための書類だけでも日本語と英語のフォーマットに沿った卒業証明書や成績証明書が必要になります。ここの形式にも色々な制約があり、もし大学から書類を却下された場合は高校にお願いして再発行してもらわなくてはいけません。
海外大学の進学実績があまりない高校だったりするとこれは慣れない作業になるので、この工程でミスが出てしまって入学時期を見送ることになった人もいます。
あとはエージェントの不手際です。言われた通りに書類を用意したにも関わらずエージェントがやらかしたせいで学生ビザの申請をミスってしまい、入学が延期になった人もいます。
具体名は伏せませんがう、まあまあ大手のエージェントです。お金をもらっておきながらビザの申請をミスり、その上謝罪も無かったということなので酷すぎます。留学業界の闇を感じました。
これに加えて、マレーシアの移民局もテキトーなのでいつでもリスクは付き物です。特に自分で学生ビザの申請を行う場合は、できる申請や相談は早め早めにしておくことが大切です。
バイトをしたかったから
バイト禁止の高校もあると思います(私の母校もそうでした)。その関係からか、マレーシアに夏入学する場合、高校卒業後から入学までの暇な時期にはバイトに励む人が多いです。
半年いかないくらいで50万円くらい稼いでくる人も多いです(私はそこまでの額は稼いでいない)。
授業料と生活費は出す代わりに娯楽費は自分で出す、という条件で留学している人も多いため、これらは娯楽費として渡航後に使われるのだと思います。
また、中には自分で生活費を負担している人などもいて、そのために渡航時期を遅らせてアルバイトでお金を稼ごう!というタイプもいるようです。
社会に疲れたから
ギャップイヤーを取りたい、もしくは一旦大学に入らずに社会で様子を見てみたい、という人もいます。
確かに高校で18歳になるまで詰め込み教育を受け続けてきたわけなので、一度そういうチルの期間があってもいいとは思います。私は高校卒業後の3, 4月から7月まで数ヵ月しかギャップタームの経験はないのですが、それだけでもものすごく良いリフレッシュ期間になったと思います。
特に海外に来ようという意識がある人の中には日本の教育システムに疑問を持っている人もいるため、ストレートに大学進学しなくてもいいんじゃない?と考えることが多いようです。
終わりに
今回はマレーシアの大学入学の時期に関する情報を色々記事に書いてみました。アメリカなどの大学でも年に一度しか入学時期がない所は多いのですが、マレーシアの場合はそういった点で柔軟に留学の計画を立てることができるので、魅力的なシステムだと思います。
ただ、入学時期についても正解はないので、自分でこれがいい!と思った時期に入学するのが一番です。マレーシア留学を考えている方の参考になれば幸いです。