筑波大学は日本国内でも名門の国立大学として有名ですよね。最近、そんな筑波大学がマレーシアに分校を設立し、国際的な学びの場として注目を集めています。
本記事では、筑波大学マレーシア校の基本情報から入試情報、学生生活まで、最新の情報をわかりやすくまとめて紹介します。
情報が変わることもありますので、正確な情報は公式ホームページを参照するようにしてください。
筑波大学マレーシア校の基本情報
概要と設立背景
筑波大学は、日本の大学として初めてマレーシアに海外分校を設立しました。
このマレーシア校は、両国の友好関係と教育交流の歴史に基づいて設立され、特にマハティール元首相の要請を受けて実現したものです。筑波大学は「開かれた大学」として国際化を積極的に推進しており、この分校もその一環となっています。
開校日と学群
筑波大学マレーシア校は2024年9月1日に開校し、初年度は「学際サイエンス・デザイン専門学群」(School of Transdisciplinary Science and Design)が開講されました。
この学群では、データサイエンスを基盤にした学際的なアプローチで地球規模の課題に取り組みます。
学べる学問・学費
提供されるコースと学位
筑波大学マレーシア校で提供されている唯一のプログラムは、現在「学際サイエンス・デザイン専門学群」のBachelor of Arts and Science課程のみです。
このプログラムは4年間の課程で、修了すると筑波大学から日本本校と同じ学士(Bachelor of Arts and Science)の学位が授与されます。
こちらは、自然科学、人文科学、社会科学など多岐にわたる分野を学際的に融合し、学生は地球規模の問題に対して創造的かつ実践的な解決策を模索するコースとなっています。主にデータサイエンスと環境科学を中心に専門性を深めることができます。
基本的に講義は英語・日本語の両方(一部マレー語)で行われるようです。また、面白い点として、日本語と体育も必修科目として組み込まれており、日本の大学ならではの特徴が色濃く反映されています。

海外大学では体育は必修でないことが多いです。
学費
筑波大学マレーシア校の2024年9月時点での年間授業料は、マレーシア人学生が35,000リンギット(約120万円)、留学生が38,000リンギット(約126万円)です 。これらの授業料は、通常、年2回(9月と2月)に分けて支払う必要があります 。
一方、日本の筑波大学の学部生の年間授業料は535,800円(2024年度)です 。マレーシア校の授業料は、日本本校と比較すると高額ですが、マレーシアに存在する他の海外大学の分校の授業料と比較すると平均的な水準かと思います。


入試情報と受験プロセス
入学条件や日程
筑波大学マレーシア校へ入学する方法は、
- 学校推薦入試(School Recommendation Scheme)
- 適性審査入試(Aptitude-based Scheme)
の2種類の入試方法があります。
学校推薦入試
応募要件はこんな感じ。
- 12年の正規教育課程を修了した、または修了予定の者
- 指定された基準を満たす学業成績(例えば、Aレベルで数学を含む3科目でC+以上)
- 英語能力(IELTS 5.0以上、またはTOEFL iBT 61点以上)
- 日本語能力(JLPT N3以上または同等の証明)
まず、学校の担当者(校長、担任教師、カウンセラーなど)に推薦を依頼し、オンライン推薦状を提出する必要があります。
その後の選考には個別面接も含まれます。面接は主に英語で行われますが、一部は日本語でも行われ、応募者の関心や意欲、批判的思考力、コミュニケーション能力が評価されます。
日程的には昨年度はこんな感じ。
- 出願期間: 1月14日~2月12日
- 面接日: 2月25日
- 結果発表: 3月11日
筑波大学マレーシア校への入学には、学士課程への出願が必要です。出願は「適性検査に基づく選考方式」(Aptitude-Based Scheme)を採用しており、外国籍の志願者には、学務課への事前連絡が推奨されています。
入学に必要な書類や詳細な選考基準については、大学の公式ウェブサイトで確認できます。
適性審査入試
こちらも応募要件はほぼ変わらず。
- 12年間の正規教育課程を修了した、または修了予定の者
- 国際バカロレア、GCE Aレベル、または同等の資格を有する者
- 英語能力(IELTS 5.0以上、TOEFL iBT 61点以上)を有する者
- 日本語能力の証明が必要(日本語を学んだことがある者は証明書を提出)
ただ、若干入試のプロセスが違うようです。
- 第1段階選考
応募書類を基に、学力や英語能力、グローバルな問題に対する関心などを総合的に評価します。約60名の候補者が選ばれ、次の段階へ進みます。 - 第2段階選考
グループ面接が行われ、応募者は指定されたテーマに基づいて、グループディスカッションを通じて問題解決に向けたアプローチを示します。面接では、批判的思考やコミュニケーション能力が評価されます。面接は主に英語で行われますが、一部日本語も使用される可能性があります。
スケジュールはこんな感じ。
- 申請期間: 3月18日~4月15日
- 面接日程: 5月13日・14日
- 結果発表: 6月11日
- 入学手続き締切: 2025年6月18日
この入試方式に関する情報はこちら。
求められる英語力と入試難易度
英語力に関しては、IELTS(総合スコア5.0)またはTOEFL iBT(61点以上)が求められます。入試の難易度は比較的低く、英語の基準も多くの大学と比べて緩いと言えるでしょう。



英検2級くらいあればいけると思います。
また、成績についてもそこまで大変ではないと思います。例えば、Aレベルの資格を持つ学生の場合だと数学を含む3科目でCグレード以上を取得していることが目安とされていますが、これも全然難しくないスコアです。
初年度は定員を下回る結果となっていたこともあり、認知度も考慮すると入学難易度が非常に高いわけではないと言えるでしょう。ただし、今後、大学の認知度が高まるにつれて競争率が上昇する可能性も考えられます。


学生生活と施設
キャンパスの立地
筑波大学マレーシア校は、クアラルンプールのマラヤ大学付近にキャンパスを構えています。クアラルンプールの中心地まで電車ですぐに行けるため、生活面において不便を感じることはそこまでないでしょう。
留学生比率は?学生数は?
初年度の入学者としてはマレーシア国籍の学生が7名、日本国籍の学生が6名だったようです。やはりまだまだ大学としては認知が足りないのか、かなり少なめの入学者ですね。
学生サポートと生活支援
学生に向けたサポート体制も充実しており、特に日本からの留学生向けには日本語のサポートや生活支援が提供されています。また、成績優秀者や地域社会への貢献が認められた学生に対しては、奨学金が授与されるようです。
また、日本人留学生にとってマレーシアは比較的生活費が安く、食事や住居の面でも日本に近い環境が整っているため、かなり良い留学先なのではないかと思います。
日本の筑波大学から交換留学はできる?
まとめ
筑波大学マレーシア校は初の日本の大学の海外分校ということもあり、ここでの学びは国際的なキャリアを築く上で大きな強みとなるでしょう。日本とのつながりが深く、教育内容も日本本校と同様に質が高いため、将来的にグローバルな環境で活躍したい方には最適です。
ただし、まだ開校から間もないため、学生の認知度や応募数には課題があると言えます。今後、大学の魅力や認知度が高まることで、競争率が上昇する可能性はありますが、現時点では比較的入学しやすいと考えられます。
少しでも興味を持った方は、大学のホームページなども参照してみてはいかがでしょうか?