みなさんは東京大学の松尾研究室はご存知でしょうか。AI界隈で有名な、現場の第一線を行く日本有数の研究室です。
松尾研はいくつか外部に向けて講座を行っているのですが、その中の人気講座に「東京大学グローバル消費インテリジェンス寄付講座(GCI)」という、Pythonを使って基本的な機械学習とかデータ分析が行えるようになるものがあります。
私も実際に参加したのですが、メチャクチャ力がついておすすめの講座だったので、本記事ではGCIの参加した感想や情報などを一通りまとめてみようと思います。
無事に修了できました👇

GCIって何?
学習内容・スケジュール
GCIというのは、「データサイエンスを通じてAIの基礎となる考え方を学び、マーケティングを中心としたビジネス課題解決の力を身につける、AI入門講座」という立ち位置の講座です(公式より)。
具体的には、この講座を修了するとPythonを用いて与えられたデータに適切な前処理を施し、機械学習にかけ、その結果から何かしらの目標(ビジネスで言ったら売上向上や離職率の低下など)を達成するためには何をしたら良いのだろうか、という提案までを一通り行えるようになります。
入門とはいえかなり修了するのは大変なわけですが、これができるようになるだけでも全然データサイエンスに対する解像度が変わります!
公式から出ている学習内容のスケジュール感だったりを載せてみるとこんな感じです。かなりタイトなスケジュールです。
日程 | 内容 |
---|---|
事前学習 | Python基礎(PowerPointと演習ファイルを事前配布) |
第1回(4/23) | 導入 |
第2回(5/7) | Pythonによる科学計算(Numpy) |
第3回(5/14) | Pythonによるデータ加工処理の基礎(Pandas) |
第4回(5/21) | Pythonによるデータ可視化の基礎(Matplotlib) |
第5回(5/28) | 教師あり学習 |
第6回(6/4) | 教師なし学習 |
第7回(6/11) | SQL |
第8回(6/18) | モデルの検証方法とチューニング方法 |
第9回(6/25) | 特徴量エンジニアリング |
第10回(7/2) | AIビジネス活用提案 ~ 最終課題導入 ~ |
第11回(7/9) | マーケティング基礎、応用の一部 |
第12回(7/16) | ゲスト講師(1)TBD |
第13回(7/23) | ゲスト講師(2)浅田慎二氏 (One Capital株式会社 代表取締役CEO) |
私が参加したのは2024年の夏講座なので、年によって若干スケジュールが異なるかもしれません。
修了するのはどれくらい大変?修了率は?
スケジュールを見てもらってもわかるように、基本的に3か月くらいで一通りのデータサイエンスや機械学習に関することができるようになる必要があります。
下手をしたら大学で1~2年かけてやるような内容のボリューム感だと思うので、公式のサイトにもあるように毎週数時間の自習時間+αが取れない人だと修了は難しいかもしれません。修了率は明かしてはいけないことになっているので詳しくは書きませんが、実際にかなりの人数が脱落していました。
ただし、頭が良くないから、文系だから修了できないといったことはないと思います。学習時間を確保してしっかり教材や動画を見て手を動かせる人なら、修了はできます。どちらかというとやる気の問題が大きいと思います。
申し込み方法
公式ホームページにアクセスし、最新の講座のページを開きましょう。SummerとWinterで年に2回開催されているようです。
基本的には申込期間中にサイトで個人情報などを入力するだけです。
また、松尾研究室では、GCI以外にもさまざまな講座を開講しています。以下はその一例です。
- 東大松尾研 AIビジネス講座:ビジネスパーソン向けのAI活用講座
- ディープラーニング講座:より高度なAI技術を学ぶ講座
興味のある方は、他の講座もチェックしてみるとよいでしょう。
参加した感想
まとめると、GCIは無料とは思えないほどの質の高い教材とカリキュラムが提供される非常に価値のある講座でした。
学習量が多く大変ではありますが、その分得られるスキルは確実に実務で活かせるものばかりでした。本当に参加してよかった。
良かった点
まず良かった点はこんな感じです。良いところがありすぎて長くなってしまうので箇条書きで…
- 無料とは思えない教材の質:有料でもここまで手厚い教材は見たことがない
- いつでもどこでも都合のいい時に学べる:オンライン学習がメイン
- 修了できるとかなりの力が身に付く:簡単な実務でも使えるレベル
- 修了者へのサポートが手厚い:インターンなどへの招待が来る
- 修了したこと自体が実績になる:修了証明書がもらえ、優秀修了者には海外研修もついてくる
- Slackが盛ん:他の受講生と交流ができる
- コンペで応用力を鍛えられる:Kaggleなどのコンペにも挑戦できる実力が身につく
- エンジニアだけでなくビジネスにも応用できる:理系の技術習得だけで終わらず、プレゼンやビジネス提案まで教えてもらえる
- おすすめ教材の紹介がある:ITの学習方法で挫折しない
残念だった点
次に、残念だった点というほどでもないんですが、ここがキツかったなというところ。
- 学習量が多すぎる:短期間で内容を詰め込み過ぎている感があるので、もう少し長めのスケジュールのほうが良い気が…
- 説明が一方的:毎週の講義ではインタラクティブな要素が少ない。説明聞かなくても教材を読めばいいじゃん!って思った(教材が良すぎるだけかも)。
GCIはこんな人におすすめ!
こんな人にGCIはおすすめです!
- Pythonを使ってデータ分析や機械学習を学びたい人
- AIを活用してマーケティングやビジネス課題を解決したい人
- 無料で質の高い講座を受けたい人
- ある程度の自己学習ができる人(学習量が多いため)
まとめ:全人類GCIに参加したほうがいい
東京大学のGCI講座は、無料とは思えないほど充実したカリキュラムと教材が用意されており、データサイエンスや機械学習の基礎を実務レベルで身につけることができる講座でした。
学習量が膨大なので楽な道のりではありませんが、修了までこぎつければ簡単な実務レベルのスキルは身に付けられると思います。特に、データ分析やAIをビジネスに活かしたいと考えている方にとっては、これ以上ないほど価値のある経験になるでしょう。
「機械学習やデータ分析を学びたいけど、何から手をつければいいかわからない」という方は、ぜひGCIに挑戦してみることをおすすめします。
というか、現代人にとっては文系理系問わず知っておいた方が良い内容だと思います。課外活動としても生かせる内容だと思うので、この記事を読んだ人は全員今すぐ応募してください!