海外大進学を志す上で避けては通れないのが英語系の試験。イギリスをはじめとしたヨーロッパ諸国への進学を検討した方は「IELTS」という試験を受ける方も多いと思います。
とはいえ、日本ではまだまだ英検やTOEICが主流…。塾などでも英検対策講座は開催されていてもIELTSの対策講座を開講しているところはかなり少ないと思います。
今回はそもそもIELTSって何?という状態から半年でスコアを5.5から7.0に爆上げした勉強法まで合わせてお話ししていきたいと思います!
この記事のライター:ぱんだ(インタビュー記事)
私立の中高一貫校出身です。留学経験はほぼありませんでしたが、海外に憧れる気持ちがいつの間にか私をチェコまで運んでくれていました。学生時代は自由奔放に生徒会活動に明け暮れる日々でした。
韓国ドラマを観るのが大好きでハマると一気見することもしばしば。私的ベスト韓ドラ オブザイヤー2023は「キング・ザ・ランド」です。
そもそもIELTSってどんな試験?
IELTSとは英語圏への留学や就職、移住を目指す人の英語運用能力を証明するための英語運用能力試験です。
英語圏ではありませんが、ヨーロッパの大学の英語コースへの入学の際にもスコアの提示を求められることが多くあります。立ち位置としてはTOEFLとよく似ていますが、TOEFLは北米への留学、IELTSはヨーロッパへの留学で求められることが多いです。
また、IELTSはReading, Listening Writing, Speakingの4技能に分かれているテストです。合否ではなく、1.0-9.0のスコアで結果が出ます。
各技能でスコアが出されて平均値がOverall scoreとして算出され、大学などに提出するスコアはこのスコアを参考にされます。一般的に6.0-6.5を入学の最低基準としている場合が多いですが、トップ大学などは7.0などを要求してくる場合もあります。
ライティング
それではReadngから順に各技能の勉強法についてお話ししていきます!
単語力
Readingで最も点数の向上に直結するのは単語力だと思います。たくさんの単語帳が存在しますが、IELTSの試験にはIELTS用の単語帳を使うのが1番効率が良いです。
英検には英検の独特のセレクトがあるように、IELTSにもIELTS独特のセレクトが存在するからです。
そして、このセレクトセンスを私たちが習得するのはなかなかに難しい…。それなら最初からピックアップしてくれている単語帳を使うのが手っ取り早い方法だと思います。
実際に私はこちらの「実践IELTS英単語3500」という英単語帳を使っていました。IELTS対策では有名な英単語帳なのでおすすめです。
公式問題集を使った演習
単語力をつけたらあとは練習あるのみ!試験とはいえども言語なので数をこなした分だけ力になると思います。
こんなトピックがよく出るなーという傾向を掴むきっかけにもなりますし、個人的には能力を最大限に引き出すための体力作りという意味でもとても大切だと思います。
ここで1番おすすめしたいのが公認問題集を使うこと!公式問題集というのはIELTSの試験本番の問題を作っている会社が出している問題集です。作る人が同じなら求められるものも大きくは変わりません。
私はこちらのものを使っていましたが、できるだけ最新のバージョンを購入するのがおすすめです。
ここで1番フォーカスしたいのは、「どんな話題が出やすいかを把握すること」です。
私が受けていた時はノーベル賞を受賞した科学技術や現象の基礎内容についての内容が出る傾向にありました。
あ、当日圧倒されて戦意喪失しないために、試験当日の分量を把握しておくこともお忘れなく。
いろんな雑誌の記事を読んでみる
公式問題集の問題数には限りがあります。ここで公式問題集を使った演習を通して把握した傾向が役立ちます。
そのために、一般人向けの科学雑誌のサイトに行って、傾向に当てはまるジャンルの中から自分が興味のある記事を読んでいきます。National geographicやScientific Americanなどですね。
ただ、自分の気の向くままに読んでいると自然にジャンルに偏りが出てしまうので文系の友達に「今授業でどんなこと勉強してるの?」だったり、化学や物理などの授業担当してくださっていた先生に「最近○○界でアツいテーマなんですか?」と聞いたりしてその関連記事を読んだりもしていました。
単語帳では補うことが難しい、その分野ならではの単語を知ることもできますし、息の詰まるような受験勉強の中で息抜きのような感覚で楽しく勉強できたのでかなりおすすめです。
リスニング
公式問題集を使った演習
IELTSの試験はリスニング音声のアクセントが少々ブリティッシュイングリッシュ(イギリス英語)に寄ることもありますが、何を言っているのか分からなくなるほどではありません。
ただし、日本の授業ではあまり聞くことのないオーストラリアやアイルランドのアクセントが流れることもあるので耳を慣らしておくことも必要です。
Readingで紹介した公認問題集にはリスニングの音声ダウンロードもできますので、ぜひ活用してみてください。
洋楽・洋画を使って英語耳に近づく
机の前に座ってしっかり耳を傾けるだけがListeningの練習ではありません。言語である以上、触れる回数が多くなれば多くなるほど耳が慣れて聴こえるようになっていきます。
当時意識的にそうしていたわけではありませんでしたが、たまたまEDMにハマって移動中にずっと聴いていたら、リスニングの点数が5.5から7.5に上がりました。AviciiやZeddには大感謝ですね笑。
洋楽を聴いたり、Netflixの音声を英語にしてみたり少しずつ日常の中に英語を取り入れていきましょう!歌詞や字幕を見ながら一緒に歌ったり話したりするとディクテーションにもなるのでさらにおすすめです。
いやいや私はここでもアカデミックな内容を取り入れたい!という意識高いあなたにはTED talkもおすすめですよ
Netflixだけで英語が話せるようになりました!などという広告を見て「いやいや、そんな簡単だったら誰も苦労してないでしょ」と思っていました。というか今もそれは思っていますが、単語や文法などある程度の能力を身につけている人であればかなり効果はあるのだと思います。
ライティング
自分なりのテンプレを作る
ライティングのトピックは毎回変わりますが、毎回変えなくても良いものがあります。それは文章の枠組みです。
前書き、自分の主張①、逆説主張とその挽回 (自分の主張③)、自分の主張②、まとめといった大きな枠組みはもちろんですが、それぞれの冒頭や締めに使う1-3文くらいを考えておくと出だしに困らずに書き始めることができます。私は結論に関してはほとんどテンプレ文しか書くことありませんでした笑。
毎回同じ文章を書いていては成長も感じられませんし、対応できないトピックに当たってしまった場合大焦りすることになるので私は全部で3パターンくらい用意していました。
- 世間一般の意見と自分の意見が一致している場合
- 世間一般の意見と自分の意見が一致していなくて、改善点の改善が見込める場合
- 世間一般の意見と自分の意見が一致していなくて、改善点の改善が見込めない場合
ざっとこんな感じでしょうか。
この3パターンのテンプレートを用意していたら手も足もでないという状況にはなかなか出会いません。自分で考えるのは大変なので公認問題集の模範解答を真似して自分の言葉に言い換えてしまうのが近道です。
量をこなして質を上げる
テンプレートが整ったらあとはいかに高度なこと書いてるように見せられるかという勝負になっていきます。
私は週に2,3本のペースでReadingで読んだ記事についての意見を書いて高校の外国人の先生に添削してもらっていました。高校に外国人の先生がいない、または頼みにくいという場合はGrammarlyを使うのも手です。
文法やスペルのミスを正してもらうのはもちろんなんですが、私が量をこなしていく上で気をつけていたのは「単語のセレクト」です。
簡単に言うと、少し難しい単語を使うということで、Talk about < Discuss であったり、test < examination / investigationといったような感じです。
難しい単語を使ってスペルミスが大量発生してしまっては元も子もないので、writing用の新しい単語を覚えるというよりは自分が知っている範囲の単語を惜しみなく使いこなせるようになる練習をすると良いです。同じ単語を繰り返し何度も使ってしまうことも防げるので一石二鳥ですね!
スピーキング
自分なりのテンプレを作る
やることはWritingでしたテンプレ作りと同じです。公認問題集の模範解答例を使いながら話し始めや話終わりを決めておきましょう。
自分の言いたいことを言って満足していたら、数秒の沈黙の末「あっ、終わり? 終わりね、OKOK、じゃあ次ね笑」といった、ちょっぴり気まずい状況になるのを防ぐことができます笑。
ぶつぶつ英語
住んでいる土地柄で外国人と英語で話す機会が多かったり、高校に外国人の先生がいてお願いすれば練習に付き合ってくれたりという場合は問題ないのですが、簡単に英語の話し相手が見つからない時も多いですよね。
Camblyなどを使うのも良いですが、IELTSの専門指導をしてくれるわけではないのでお金を払うのがちょっともったいないと思う方も少なくはないはず…。
そんなあなたにはぶつぶつ英語をおすすめします!日常の感想や独り言を英語にするんです。「あ、トイレ行こう」とか「あ、明日数学の板書あるの忘れてた」とか本当にちょっとしたことで良いんです。
「いや、私そんなに独り言とか言わないです笑」という方は1日の始まりや終わりにベッドの中でその日のスケジュールやそれに対する感想をつぶやいてみましょう。
一見簡単そうに聞こえますが、これが最初は結構難しいんです。普段勉強しているようなお堅い内容ではないので意外と使いたい単語が見つからなかったりもします。
たとえ使いたい単語が思いつかなくても、どうにか自分の知っている単語で伝えようとする練習をしましょう。ぶつぶつ1人で呟いているだけなので誰にも聞かれませんし、失敗しても痛くも痒くもないです笑。
使いたい単語が見当たらない時の思考の張り巡らし方だったり、時間の稼ぎ方も自然と身についていきますよ!
日常ぶつぶつに飽きたら、Readingで読んだ記事についての意見を1分くらいで話してみましょう。
この時、スマホで録音しておくと自分が話した内容が聞けるので良いです。「この単語、何回も使ってるな」とか「この間、あんまりうまくごまかせてないな」といった改善点が見つかると思います!
終わりに
今回はIELTSの基本情報や勉強法についてお話ししました。
正しい勉強法を見つけるというのは難しいもので、自分に合っている方法も合っていない方法もあります。ひとまずやってみること、そしてすぐに結果が出なくても焦らずある程度の期間は続けてみることも大切です。
「半年で5.5から7.0に上げた方法」と大々的に書きましたが、裏を返せば半年は大きくは変わらなかったということです笑。ですが、英語という科目が言語という性質を持っている以上、正しい方向の努力にきちんと時間を費やせば必ず結果が出ます。
私も大学の授業の一環でチェコ語を勉強していますが、改めて言語を習得するって難しいなと感じる日々です。
一緒に頑張りましょう!!