海外大学に進学する人というと英語がネイティブレベル!帰国子女!といったイメージを持っている方も多いのではないでしょうか?
ただ、現実はそこまで厳しくはなく、英語が苦手でも海外大学への進学は全然可能です。
もちろん英語をはじめとした現地で使用する言語は堪能であるのに越したことはありませんが、英語を理由に海外大学への進学を諦めるのはもったいないと思います(実際私も英語はすごく苦手です)。
そのため、今回はそういった方向けに英語がものすごく流暢でなくても留学には行ける理由を解説していきます。
海外大学に対する間違った認識
海外大学入学する際、ほとんどの場合Language Requirementsと呼ばれる英語力の要件が課されます。
これには、例えばアメリカであればTOEFL、イギリスであればIELTSといった資格が使われます。
ちなみに、英検やTOEICが使えるところはほとんどありません。
そして、一部の大学はこれらの要求レベルがとても高く設定されています。英検一級よりも難しいレベルが要求されることもあり、これを他の課外活動やエッセー対策と並行して高校三年生までに準備しておく必要があります。
ここまで聞くと「やっぱり私には無理かも」と感じる人もいると思います。
ですが、これらは一部のトップ大学に限った場合の話です。
日本人の多くはケンブリッジ大学やハーバード大学あたりしか知らないことがほとんどなので、海外大学と言うとついそういった世界トップの大学を思い浮かべがちです。当然トップ校になればなるほど英語の要求レベルも高くなります。
しかし、海外大学へ進学したいという高校生全員がそこまでのレベルを目指しているのでしょうか?
そんなことはなく、正直な身の丈に合ったレベルのそこそこいい大学に行ければ満足だという人も多いでしょう。
英語要件についていうと、実はIELTSでいう6.0~6.5程度のスコアを取れていればこういった世界でも屈指のトップ校以外のほとんどの大学には入学できます。
これは英検でいう準1級程度のスコアなので、普通の高校生よりも少し英語を頑張れば難なくクリアできるでしょう。
マレーシアだと英検2級程度のスコアで進学できるところもあります。
もちろんIELTS7.0やTOEFL100点以上が要求されるようなトップ校を目指している人はとてつもない努力が必要になります。
ですが、現実的には多くの人が思っているよりも要求される英語の資格のスコアは高くないケースも多いので、そこまで英語力は問題にはならないということです。
それでも難しい場合はどうしたらよいのか
先ほどはIELTS6.0~6.5程度を目指せばよいと書きましたが、「英語がすごく苦手で英検準1級とか無理…でも海外は行きたい!」という人もいると思います。
ですが、その場合もまだ解決策はあります。
条件付き合格を狙う
まず海外大学には条件付き合格というものがあります。
これは、出願までに各種スコアなどの準備が間に合っていなくても、「入学までに○○という条件を満たしたら入れてあげるよ~」という条件付きで合格を貰えるというものです。
例えば期日までにIELTSで既定のスコアを取ったり、大学指定の語学学校に入学することで入学が許可されるケースがあります。そのため、最悪条件付き合格を貰ってから入学までの間に英語の勉強を頑張ることなどもできます。
ファウンデーションコースから入学する
また、大学には付属のファウンデーションコースが用意されていることもあります。こちらは大学0年生にあたる大学準備前コースのことで、英語力や授業についていけるか不安な人が入学するものです。
多くの場合ファウンデーションコースの入学要件は学部に直接入学する場合よりも低く設定されており、現状の英語力が足りていなくても入れてもらえます。
ファウンデーションコースでは日本ではあまり教えてもらえないアカデミックライティングなどのやり方なども習えるため、英語力が足りていてもあえて入学してくる人もいます。
また、成績(GPA)の基準も緩めに設定されていることが多く、高校の成績が足りていない人もファウンデーションコースから入学することで希望の大学に入ることができます。
例えば私の在籍中のモナッシュ大学では、学部入学の基準は大体IELTS6.5に設定されている学部が多いですが、ファウンデーションコースからだとIELTS5.5で入れてもらえます。
ギャップイヤーを取る
英語力を高めるために、日本で言う浪人をすることも手段の一つです。海外ではギャップイヤーと呼ばれていたりします(勉強目的の浪人だと本来のギャップイヤーとは少し目的が違うかもしれませんが)。
ファウンデーションコースに入学したりするよりは費用を節約できますし、今はオンラインでも英語学習ができる教材が充実しているので、やる気次第ですが英語力の要件を満たすまで自分の力でチャレンジすることもできます。
海外では高校卒業後にすぐに大学に入学しない人も多く、日本よりも浪人に対する目は厳しくありませんので、ギャップイヤーを一つの手段として考えることもアリだと思います。
終わりに
これらのことを考えると、海外大学への進学にはネイティブ級の英語力が必須というわけではないことが分かると思います。よほど志望校のレベルが高いわけでなければ、帰国子女ではない高校生でも十分に海外大学進学は可能です。
そうは言っても、当然英語が出来たほうが選択肢が広がります。留学後の友達作りや授業の理解が円滑になるので、英語力は高いに越したことはありません。
ですが、語学力を高めることだけが留学の目的ではないと思います。外国の文化を肌で感じ取ってみたり、日本の大学ではあまり学べない分野を専攻してみたりと人それぞれの目標ややりたいことがあると思います。
そういった志があるのにも関わらず英語力だけを原因として志望校を諦めるのはもったいないと思いますので、ぜひ頑張って納得のいく進路実現ができるようにしてください!