海外大進学を決めるにあたって、周囲から「日本の大学に行って交換留学すればいいんじゃない?」などと言われて反対された経験がある人は多いのではないでしょうか?
私自身は恵まれたことに両親や友達、学校の先生から海外大学への進学を反対されたことはありませんが、もしそういわれていたとしても正規留学に踏み切っていたと思います。
というのも、私は学位取得を目的とした正規留学と交換留学は全くの別ものとして捉えていおり、交換留学を検討するくらい海外に興味があるのなら最初から正規留学すればよいのではないかと考えているからです。
今回は、それを踏まえて私がなぜ正規留学の道を選んだのかについて書いてみようと思います。
私が正規留学を選んだ理由
ここで言う正規留学とは、海外の大学に入学して卒業までの間専門分野を勉強する留学のことです。学位の取得が目的になります。学部課程だと基本的には4年間のことが多いですが、マレーシアやイギリスなどの一部の国は3年で卒業できることもあります。
それに対し交換留学とは、自分の在籍している日本の大学と提携を結んでいる海外の大学に日本の大学に籍を置いたまま留学することをいいます。
交換留学は留学期間が短いから
まず交換留学というと、半年~1年程度の期間で留学するプログラムが多いと思います。
交換留学をする目的としては語学スキルを向上させたい、異文化に触れてみたい、海外に行ってみたい、など人によって様々だと思います。しかし、いずれの目的にしても半年~1年程度だと短いのではないかと思います。
特に1年以内の場合だと、四季の移り変わりや一年間のイベント等の生活の流れを一通り味わうことができません。
また、語学目的の留学の場合も当然長期間のほうが効果が高いです。もちろん1年の交換留学でペラペラになっている人もいますが、先輩に聞くと1年じゃ短い!という意見の人が多かったです。
また、それに伴って学業面でも自由度が下がります。交換留学だと大学によっては自分の取りたい科目を履修できなかったりすることも多いです。そうでなくても、短期間だと英語での学習に慣れるのに大半の時間を費やしてしまうことになるため、学業面での高い習熟効果が望めません。
交換留学をしても客観的な実績が何も生まれないから
大学時代アメリカに1年間留学経験があります!
確かにこれだけ聞くとすごい!となりそうですが、具体的にどれくらいの収穫があったのかは客観的には分かりません。経験は口で語ることはできますが、交換留学は履歴書に学歴としては残らないからです。
英語は日本語訛りでも、異文化交流や勉強をものすごく頑張って賢くなっているかもしれません。逆に、とても流暢な英語が話せて一見するとペラペラなようでも、留学に行く前からそうだったのかもしれません。
留学の成果を渡航前と渡航後に受験したTOEICなどのスコアで証明すればいいじゃないかという考えもあるかももありますが、そういうテストで証明したいのなら日本でそれ専用の対策をしていたほうがいいと思います。
また、何よりも「海外大学卒」という箔が付いた学位を取得することができるため、交換留学経験者とは一線を画することができます。就職の際も海外の大学を卒業していたほうが海外の企業からも認知されやすいでしょう。
行きたい大学に行けるとは限らないから
交換留学に行く場合、多くの場合は大学内での書類や面接といった選考が課されます。有名大学になればなるほど倍率も高くなります。
また、そうでなくても大学の都合によっては交換留学が実施されない年もあります。
高校生の時に「日本の○○大学に進学するけど、将来△△大学に交換留学したいな」と思っていたのに、いざ応募してみたらその大学には留学に行けないとなったらとても後悔すると思います。
後からそういった残念な気持ちになるくらいだったら、最初から憧れの大学を志望校として入学を目指せばいいのではないかと思います。
逆に交換留学が向いている人
こういった理由で私は正規留学を選びました。要するに、実績としても人生経験としてもどれも中途半端になってしまう恐れがあったからというのが大きいです。
ですが、交換留学にももちろんメリットはあります。
このセクションでは、逆にどういった人に交換留学が向いているのかについて解説していきたいと思います。
留学費用を節約したい人
短期間での留学となるため、物価高が進んでいると言われる海外での生活費を節約することができます。
アメリカの大学に通っている友達は本当にちょっとのご飯だけでも外食すると数千円かかると言っていました。
また、大学によっては日本の大学の学費負担分だけで交換留学に行くことができるケースもあります。
海外の大学だと年間の授業料が数百万円かかってきてしまうところもあるため、その費用を抑えられるのは非常に大きなメリットだと思います。
日本と海外の大学生活を両方経験したい人
私は面白そうだからという理由で海外大学への進学を選びましたが、別に日本の大学がダメな選択肢だとは全く思っていません。同じ学位が取得できるのであれば、どこの大学だろうと対等ですし、自分の行きたいほうに行けばいいと思います。
交換留学の場合は日本と海外の大学生活を両方経験することができるため、日本の大学に行きたいけど海外もどんなものか見てみたい、といった人におすすめです。
私も逆に日本の大学生活はどんな感じなのか気になりますが、自国の大学へは交換留学へ行けない決まりがあります😭
日本での就職で面倒なことをしたくない人
現状だと、日本の大学に通っている人は日本の企業に就職を希望する人が多いと思います。
ですが、海外大学に正規で留学したとなると入学時期や卒業時期が日本の大学とズレるため、就職のスケジュールが日本の大学に通っている人とは異なります。
もちろん海外大卒という肩書で就職活動が楽になる可能性はありますが、企業説明会の情報収集などを全て自分で行う必要があります。面接が日本で行われる場合には帰国する必要があるかもしれません。
日本での就職を希望していてスケジュール管理なども全て含めて手間がかかるのを望まない場合は交換留学のほうがいいでしょう。
日本国内のコネクションを作りたい人
海外大学に長く在籍していると、どうしても日本国内の人脈は作りづらくなります。
日本を拠点にビジネスをしたいと考えている人の場合は、日本の大学に在籍しながら活動を行っていたほうが将来的な目標は達成しやすいかもしれません。
その一方で、海外大学に4年間在籍すればグローバルな人脈ができます。もしかすると大学卒業後にそのまま現地採用、なんてケースもあるかもしれません。
こちらもどちらがよいとかではなく、日本と海外の目指す方向性の違いだと思います。
色々なリスクを負いたくない人
海外大学は授業や課題が大変で留年、もしくは卒業できない可能性が日本の大学よりも高いです。
また、いざ留学してみたら現地の雰囲気が自分に合わなかった!なんてこともあるかもしませんし、就職も海外はおろか日本の企業に拾ってもらえるとも限りません。人種差別される可能性だってあります。
海外大学に正規留学するということは、こういった諸々のリスクを承知の上で大学に進学するということです。日本の大学でももちろんそれは同じですが、資金的にも地理的にも色々な逃げ場所が少なくなります。
こういったリスクを負うのが嫌だという人は、学部課程ではとりあえず交換留学に留めておいて、大学院からの留学などを目指してみても良いかもしれません。
終わりに
こういった理由で私は交換留学ではなく正規留学を選びました。確かに手軽に学びを深められるのは交換留学の魅力かもしれませんが、一つチャレンジしてみるのも若いうちの経験だろうと考えたこともその決断の後押しになりました。
マレーシアの大学に通っている人の中には、日本の大学に入学したけどなんとなく合わず、日本の大学を中退して渡航してきた先輩もかなりいます。
このように色々な選択肢があるので、一つの考えだけに絞るのではなく、複数の選択肢を検討してみてください!